介護保険制度の改善要望



 大分県年金者組合として「介護保険制度の改善に関する要望書」を大分県知事 広瀬勝貞に提出し、その要望書に基づく内容について話し合いをするべく大分県庁にて懇談を行いました。
 懇談では大分県庁から3名の介護福祉に携わっている方が応対に来られ、年金者組合からは県委員長と事務局長をはじめ各支部から約30名の方が参加しました。
 懇談の紹介として日本共産党県会議員の堤栄三さんも参加され、1月15日に要望書として4点を提出した回答書を読み上げる形式で話を進め、1項目ごとに疑義解明をする形で約1時間半懇談を行いました。
 年金者組合からの要望書4点は
 @ 要支援1、2、の対象者への給付事業を県下各市町村でこれまでどうり行えるよう県として対応すること。また、要介護1、2、の対象者の     施設入所を制限しないこと。
 A 特別養護老人ホーム・老健施設・療養型病床等の老人福祉施設の整備拡大を図ること。
 B 介護制度をささえる介護スタッフの人材不足が深刻であり、その実態を把握し対策をおこなうこと。
 C 介護保険の国費・県費負担を引き上げるとともに、毎回引き上げられる介護保険料の制度の見直しを国に要望すること。
 この4点に対して県庁として、今回の制度改正により予防給付の訪問、通所介護を市町村に移行しても、対象者が従来と同等のサービスが受けられるよう提供する。また、住民やボランテア、NPO等の多様な主体による生活支援サービスの整備について検討する協議体を設置を推進する、特別養護老人ホームは在宅介護を続けている重度の要介護者を優先的に入所させるため、原則として要介護3以上の方のみが入所できるようになったが、要介護1や2の方でもやむを得ない方には特例的に入所できる。と回答が寄せられました。
 この回答を受けて多くの方から疑義の質問が出され、特に住民やボランテア、NPOなどに丸投げするのではなく、介護保険料を取っている国や県が率先して施設を造り、介護保険を払っている国民が安心して老後を送れるようにするのが筋ではないのか、と言う厳しい指摘がなされたが、県として検討はするがこれ以上の施設の増設には無理があるとの答弁。
 特別老人ホームや老健施設については団塊世代の方(私を指す)が75歳に達する2025年渡における要介護者数等を推計して、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、各市町村に第6期介護保険事業支援計画を進め、施設整備費補助金を交付して介護サービスの充実に努めるとしていることに対して、県として施設を作るべきでないかと指摘されたが、県としてはどれだけの方が特別養護老人ホームや老健施設を利用するか判らないなかでは無理があるとの答弁。
 介護スタッフに対しては介護労働センターから各事業所を対象とした調査では2015年度で54.4%の事業所が介護労働不足に陥っていると報告があったが、賃金に対しては介護職員の賃金改善により2015年度より12000円の上乗せが可能になり、介護職員の処遇改善が進んでいる、県として集団指導の機会を活用しながら、さらに実効性が上がるよう取り組むと言うことに対して、ニュースや新聞紙上で介護職員の処遇(低賃金や仕事のきつさ、職員数が足りない等)が悪く、介護職員のなり手がないと言われているのに、大分県ではなぜそんな数字が出てくるのかと問われると介護労働安定センターの統計から出てきているとしか言えず、実態把握はしてないと言う。
 人材確保には介護職場体験や就職説明会、無料職業紹介などを実施し、他分野の離職者にも働きかけて行き、介護職員の処遇改善と合わせて人材育成に努めると言うことに対しては、是非要介護者が安心して受けられる施設へと繋げて行って欲しいと要望が出されました。
 介護保険の国費や県費引き上げについては懇談の時間が無くなり、県として要望に沿うよう努力していくとの答弁で、懇談会を打ち切りました。(会議室の外では15時からの打ち合わせの方々が待っている関係で懇談会の終了) なお私は別府支部から参加
 
 

対面の方が県職員 前列の右端が堤県議

    
        要望を読み上げる年金者組合委員長                         要望に対して回答する県職員