戦争法廃止のために



 年金者組合別府支部婦人部の総会が行われたので参加してまいりました。総会のあと「戦争法の廃止を求める学者の会」の気賀沢忠夫さんの記念講演が行われました。
 講演に当たって気賀沢さんはまず「戦争法の廃止」を考えるには、先の太平洋戦争を考えなければならないと、、太平洋戦争では310万にもの人々が命を失い、アジアの人々2000万人の命を奪ったことを忘れてはならないと。
 その戦争の教訓から不戦の誓いに基づいて戦後日本の再建が始まった、その第一歩が日本国憲法の制定だが、憲法が制定されてから1949年に中国革命、50年には朝鮮戦争の勃発に先立ってアメリカは日本の憲法9条を無視して1950年に警察予備隊を作り52年には保安隊に昇進して54年には自衛隊を創設させたと。
 日本国憲法には、前文に日本国民は・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権は国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。と定め、そして平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。と記されている。
 なかでも憲法9条では、第一項に日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、沽券の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久のこれを放棄する。第二項では、前項を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。と記されている。
 にもかかわらず、先に述べたようにアメリカは中国・ロシアが進めている共産主義を阻止するために、日本を反共の砦として1951年に単独講和のサンフランシスコ講和条約を結び、1960年には安倍晋三のおじいさんである岸信介がサンフランシスコ講和条約をより強固にするため60年安保をアメリカと結び、70年安保でも憲法9条があるがため今日までアメリカの言いなりになれなかった集団的自衛権を、安倍内閣になっていとも簡単に@武力の行使の目的をもって海外派遣することA集団的自衛権の行使B武力行使を伴う国連軍への参加はいずれも許されない。としてきた内閣法制局長官談話を反故にして2014年7月1日に日本の同盟国が行う戦争に自衛隊が世界のどこでも参戦できるという、閣議決定を行い、2015年9月19日には集団的自衛権の行使を内容とする「安全保障関連法(戦争法)」を強行採決し成立させてしまいました。
 これによって日本は世界のどこでも戦争ができる国にされてしまった。しかしこの戦争歩に反対する立憲主義の回復を求めて日本各地で運動が広がり、そんな中2016年1月16日に「戦争法の廃止を求める学者の会・大分」が結成され、3月6日には学者の呼びかけで「平和をめざすオールおおいた」も結成された。
 憲法で陸海空軍は保持しないとうたわれている自衛隊の軍事費は、今やアメリカ・ソ連・中国・日本と世界で4番目の軍事大国となっているにもかかわらず、安倍内閣は北朝鮮や中国の無法を盾にアメリカに次ぐ軍事大国をめざして軍事費のみ大幅な予算を引き上げている。と批判。
 また、今回行われた参議院選挙では安倍内閣は憲法の憲の字も言わなかったのに、選挙が終わったとたんに自民党の憲法草案をもとに議論してほしいと言い出したことに、せこい真似はするなと訴えていました。
 自民党の憲法草案は、現憲法が国権を縛っていることに対して、自民案は憲法が国民を縛り、憲法に違反する国民は全て国賊として刑務所入りにすると言う草案です。とお話を頂きました。
 今回の「戦争法」廃止のために、と題した気賀沢忠夫さんのお話は大変すばらしいもので、これからの参考にさせていただきたいと思っております。ありがとうございました。


気賀沢 忠夫さんのお話し