日本国民救援会大分県本部
第40回定期大会




第40回県本部大会 スローガン

救援会創立100周年に向け会員数を増やそう

 大分県救援会は9月3日大分県保険医会館で県本部大会を開催したので参加してまいりました。
 大会に先立って福岡飯塚冤罪事件の担当弁護士徳田靖之さんが、1992年2月20日、福岡飯塚市で発生した女児2名の誘拐、強制わいせつ・殺人事件について講演されました。飯塚事件についてはそれなりに知っていましたが、事件内容を詳しく聞くうちに、今も昔も警察、検察の恐ろしさをまざまざと知らされました。
 飯塚事件の恐ろしさは犯人として逮捕された久間三千年さんが終始無実を主張し続けていたにもかかわらず死刑が確定し、刑の再審準備をしている最中の2008年10月28日に死刑が執行されたと言う冤罪事件です。
 裁判のなかで久間さんは一貫して否認するなか、科警研は犯人のDNA・血液型が久間氏と一致すると鑑定したが、ミトコンドリアDNA鑑定では被害者の体からは久間氏の型は検出されず、第三者の型が検出され、HLADQα型DNA鑑定では被害者の体からは、久間氏の型は検出されなかった、また目撃者の証言は、久間氏を犯人とするために警察官が久間氏の車を事前に下見しておいて、その下見内容を警察官の都合よいように誘導し、供述調書が作成されたもので、事件を知った木村さんと言う方が、女児は貨物車に乗っていたと証言しているにもかかわらず、木村さんの証言は警察官の意とは反対のため無視されたままで、また4つのDNA鑑定の全てで久間氏の型が認められなかったため、死刑とした一審判決でさえ、久間氏を有罪とするには、矛盾するとした2つの証拠が存在するにもかかわらず、福岡地裁・福岡高裁・最高裁は地裁判決を支持して、死刑執行に及んだ。
 2009年10月28日、妻が再審請求をしたが、地裁・高裁・最高裁は、これを棄却したため、現在福岡地裁に第二次再審請求を起こしているところですが、検察は当時の証拠品を破棄していると言っている。徳田さんは最後に死刑執行された冤罪事件は難しく、再審への道を開く再審法の法改正が切に望まれると話されました。
 飯塚事件をそれなりに知っていたが、徳田靖之弁護士の話を聞いていて、事件の犯人へと警察がいかにして行くかを聞いて、身の毛がよだつ思いを感じたのは私だけでは、ないのではないかな!


 飯塚事件の事をより詳しく知りたい方は冊子が出ていますので、次のところまで問い合わせてください。
  「飯塚事件の再審をもとめる福岡の会」 福岡市中央区大名2−2−51−403 tel・fax 092−713−0144

飯塚事件の真相を講演する 徳田靖之さん

 徳田靖之さんの飯塚事件の講演のあと、日本国民救援会大分県本部大会が開催され、開催には中央本部より岸田郁事務局長が来賓として参加され、岸田さんから救援会の置かれている今日本の情勢と今後のあり方についてお話がありました。
 まず日本の情勢については岸田政権のマイナンバーカード保健法をはじめとする、聞く耳を持たない政権運営が国会に諮ることなく閣議決定で繰り広げられ、救援会を取り巻く情勢では岡山禰屋裁判、袴田裁判など警察・検察の冤罪事件が繰り広げられ、今最高裁では重大冤罪5事件が再審を求めて審理されているが、検察が再審の邪魔だてを繰り返し、再審への道が中々開かない。救援会として再審法の改正を求めて運動を進めたい。
 また救援会の現状情勢を見ると、会員の高齢化に合わせて会員数が減少し、今では個人会員は4万人を切るまでになっており、再審法をはじめとした国民が安心して救援会を頼れる国民救援会にするためにはもっと多くの会員拡大が必要と訴え、中央と県・支部が一体となって救援運動を進めて行きましょうと挨拶されました。


中央本部事務局長の岸田郁さん

 岸田中央事務局長の挨拶に続いて、県本部の河野県本部会長より挨拶を受けたあと、司会者より寄せられたメッセージの代読があり、そのあと県本部の河野事務局長より、この一年間県本部として取り組んできた報告と次年度に向けた活動方針案が提議されました。
 報告では事件支援に対しての署名活動や袴田事件をはじめとする街頭宣伝、飯塚事件の現地調査などに参加するなど多くの事件支援に携わってきたと報告、ただ残念なのは県版ニュースを毎月発行するとした前回の大会での約束が果たされず、今回も隔月になったことは申し訳ないと、また再審法への取り組みも弱かったと、会員拡大では拡大数より高齢化による退会者が多く、今後の課題を残したと述べられるなか、来年度に向けて2人の方を新しく役員に迎えることが出来ましたと報告されました。
 活動方針については、中央本部の要請に応えるよう、会員の拡大と諸事件の支援活動を昨年以上に取り組みを強め、若い2人の新役員をはじめとして今まで以上に役員体制を充実して行きたいと結びました。
 大会報告を受け、討論にはいると数人の方が発言し、その中で救援会はもっとデジタルを生かした宣伝活動が必要ではないかと指摘を受けたが、役員の大半がデジタルに疎いためデジタルの学習を初めてとして、何らかの対応を広げ、救援会の存在を知らせていくと答弁がありました。


大会報告をする 河野事務局長さん