豊後大野市神楽会館9月公演



 神楽会館9月公演は私が神楽観賞を始めて、初めての二目川神楽保存会の方が公演とあって、どのような神楽を披露してくれるのかと期待していると、今までと違った神楽舞を披露し、特に大蛇退治では大蛇の舞を披露してくれた方が大蛇らしい仕草を披露して、私をはじめ多くの観客が感激していた。
 また、上田原伝統芸能保存会の方の舞も同じく、今までと違った舞を披露して頂いたが、お題幕の勇壮な内容からしてやや単調な舞で、特に四天の舞ではお囃子に合わせて舞を見ていると睡魔が来るような舞で、演目にあった舞にならないのかと・・・・

 第一幕 上田原伝統芸能保存会で 「綱切り」
 
 綱切りは俵を八岐大蛇に見立て、須佐之男命に擬した舞人が、神へ申し立てを行ったあと、八岐大蛇に見立てた俵を斬り裂くと言う物語で、斬り裂かれた俵はご利益があるとされて、観衆の人が持ち帰って神棚や田畑に撒いて豊作を祈願していると言われてい舞です。

    
       八雲の神に神文を述べている                       俵を斬る刀を神に見せる

     
        先ずは尻尾に張った綱を斬る                      見事胴体から尻尾を切り落とす


 第二幕 二目川神楽保存会で 「五穀舞」 

 高天原を追放された須佐之男命が八百万神々に食物を与えている大気都比売神にであったが、その食物の出所を見ていると、鼻・口・尻から取り出して与えているのを見て、汚いと思い大気都比売神を殺してしまうと、頭から蚕が、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が生じたので、神産巣日神(かみむすびのかみ)は、これを取らせて農作物の種子にしたと言う舞です。
 
   
          須佐之男命が登場                          大気都比売神の登場

    
大気都比売神を殺さんとする場面
 
 
    
 八百万神が穀物を持ってきた須佐之男命の腕には子供が抱かれている    八百万神が持ってきた餅や菓子は観客に撒かれた

 
 第三幕 上田原伝統芸能保存会 「四天」

 四天と言う演目は初めてで、神々が天鹿児弓と天羽々矢を手にして禍神を退ける神楽で、弓矢を採り物として舞う神楽は三輪流と呼ばれ、岩戸神楽に相当する演目神楽と言われている舞です。

     
 結界の中を弓を持って東西南北同じ所作を繰り広げて舞う

 
 東西南北で同じ所作を終えたら最後の荒々しい舞を行う
 
 第四幕 二目川神楽保存会 「八岐大蛇退治」

 高天原を追放された須佐之男命が出雲の川を訪ねると、八岐大蛇に呑みこまれる運命にある脚摩乳と手摩乳と奇稲田姫に出会う、須佐之男命が八岐大蛇を退治してあげるので強い酒を造って八岐大蛇に飲ませるよう、酒に酔った大蛇を退治し、退治した暁に奇稲田姫と結ばれることを条件に八岐大蛇を退治すると言う物語です。
 今回の八岐大蛇退治は今まで見て来た大蛇退治と違って、須佐之男命と大蛇の駆け引きが面白く、また大蛇の所作がリアルでユニークで今までの舞台とは違った趣があった。

     
     脚摩乳と手摩乳と奇稲田姫の登場                   途方に暮れている三人の前に須佐之男命が登場
 
    
    奇稲田姫が須佐之男命と結ばれることへの喜びの舞         酒を用意するために脚摩乳と手摩乳が引き上げる

    
     大蛇を退治する剣を確かめる                          大蛇の到来を見つめるチャルと言う道化師

    
          チャルが酒樽を持ってくる                       八岐大蛇登場

     
      酒樽を見つけ飲み始める大蛇                        須佐之男命と大蛇の闘いが始まる

     
         大蛇の首を刎ねる場面                      大蛇のお腹から草薙の剣を見つけ勝利を誇る