豊後大野市神楽会館10月公演



 

 本日の神楽は三重高校神楽部のOBが集い、活動を始めたことがきっかけで平成16年に結成された「すずかけ神楽」と千歳町にある「浅草流大木神楽」で、 「すずかけ神楽」は大木神楽の指導を仰ぎながら、特に女性が多く既存の宮付神楽と違ってしなやかな魅力を持った神楽社として成長している。


 第一幕 すずかけ神楽の五穀舞 
 
 五穀舞とは高天原を追放された須佐之男命が八百万神々に食物を与えている大気都比売神に出会い、見ると鼻・口・尻から食べ物を取り出していたので、須佐之男命は汚いと思い大気都比売神を殺してしまうと、殺された大気都比売神の頭から蚕が、目から稲が、耳から粟が、鼻に小豆が、陰部から麦が、尻から大豆が生じたので、神産巣日神はこれを取らせて農作物の種子にした物語の舞です。 

     
      須佐之男命が登場                                 大気都比売神食べ物を出す舞
 
    
須佐之男命が汚いと思って大気都比売神を殺そうとする場面
 
 
    
    大気都比売神が殺されて引き上げる場面                    死体から出て来た食物を持って神々が現れる
 
    
       食物を観客に与える(撒く)ための舞                  食物を与えた後の舞 このあと全員が引き上げる
 
 
  
 第二幕 浅草流大木神楽の綱切り

 八岐大蛇退治が神楽の演目となった大蛇退治を簡素化したものだが、この綱切りは江戸期からあったもので、俵を八岐大蛇に見立て八岐大蛇を切る事から五方(東西南北と俵のある中央)を切り鎮める呪文を唱えて俵を切り裂く演目で、シンプルな衣装は八雲払いのようにごまかしの利かない舞です。
 

     
       大蛇に見立てた俵が現れる                         口上(呪文)を述べる舞いて
 
    
       五方に対して大蛇を切ることの口上を述べる             一刀で斬りやすいようにしめ縄を平行に伸ばす
 
 八岐大蛇(俵)を退治したあとの場面


 第三幕  すずかけ神楽の柴引

 柴引とは須佐之男命の乱暴に天照大神が天の岩戸に隠れたため、困った思金神は天照大御神を外に連れ出す様々な策略を講じ、天児屋命と布刀玉命に天の香久山に行って真榊を取ってくるよう命じ、二神は天の香久山に行って真榊を引き抜いて持ち帰り、玉・鏡・幣などの祭具を取り付け、柴引は天の香久山で真榊を引き抜く様子を現した舞で、客席の観客が土であり真榊として引き抜かれまいとする観客参加の神楽です。
 
    
天児屋命の登場

    
布刀玉命の登場
 
    
        子供と柴引する布刀玉命                         ターゲットを探す天児屋命
 
 柴を持ち帰ったことを報告して引き上げる天児屋命と布刀玉命


 第四幕 浅草流大木神楽の岩戸開

 岩戸開きは須佐之男命の乱暴を怒った天照大神が天の岩戸に隠れてしまい、そのため世の中が暗くなったので思金神が策を練り長鳴鳥を鳴かせ、鏡・玉を作り、それを真榊の枝に御幣と一緒に掛けて、天手力男神を天の岩戸の脇に隠れさせ、戸が開くのを待ち構えさせようと考え、天宇受売命が舞を舞い、外が騒がしいのを不思議に思って天照大神が身を乗り出した時、天手力男神が岩戸を開いて外に連れ出し、高天原に平穏が戻ったと言う物語の舞です。
 
    
          思金神の登場                                   天宇受売命が登場

    
         天宇受売命の舞                                八百万神の登場 
 
    
天宇受売命の優雅な舞

    
天手力男神が登場

     
       岩戸を開けようとする天手力男神                        大きく開いた岩戸

     
         思金神が天照大御神を連れ出す             天照大御神を連れ出した思金神と天手力男神が引き上げる
 
    
      岩戸の奥には降臨の神器(剣)が見える         八百万神が明るくなった喜びの舞を舞って引き上げる