豊後大野市神楽会館2016年 3月公演


 第一幕 貴見城(きけんじょう) 邇邇芸命(ににぎのみこと)と木花之佐久夜毘売(このはなはくやひめ)が3人の男の子を生み、ある日兄の火照命(ほでりのみこと)と弟の火遠理命(ほおりのみこと)が漁具を交換して魚釣りに出かけたが、弟が兄の釣り針を魚に取られてしまい、自分の剣を潰して釣り針を作って兄に返すが、兄は元の釣り針を返せと弟を責める中、海岸で途方に暮れる火遠理命を見た塩椎命(しおつちのみこと)が海中の綿津見神(わだつみのかみ)の宮殿に連れて行くと豊玉毘売(とよたまひめ)と出会い、鯛が呑みこんでいた釣り針を火遠理命に返し、返して貰った釣り針を兄に返して許しを請うが、兄の怒りがさめないなか綿津見神から頂いた二つの珠が兄を負かし、今度は兄が弟の守護役となると言う物語の舞です。
 
 

火照命(ほでりのみこと)の登場 
 

 

 火遠理命(ほおりのみこと) 各神々全員の登場 
 


 
神々が舞台を回りながら色んな動作の舞を舞う 
 



 
 竜宮での舞 許しを請う舞 
 

 
 第二幕 太平楽(たいへいらく) 天孫邇邇芸命は多くの供を引き連れて筑紫の日向のくじふる嶽に無事降臨を果たし、一行の先頭に立った天忍日命(あめのおしひのみこと)と天津久米命(あまつくめのみこと)と天石門別神(あめのいわとわけのかみ)はこの降臨を喜び祝い、天下泰平の舞をまったと言う物語の舞です。
 舞自体は単純な舞だが迫力があって見ていても飽きない。 
許しを受けて舞台を去る火遠理命(ほおりのみこと)
 

 

 八百万神と天忍日命(あめのおしひのみこと)の登場  神々全員が出そろう
 

 
東西南北に分かれて4回同じ舞を舞うが、それでも若干の違いを見せる 
 

 

一つの舞が終われば礼をして次のステップに入る 
 


  第三幕 地割(じわり) 天照大御神(あまてらすおおかみ)は、我が子の天之忍穂耳命(あめのおしほのみこと)の勧めにしたがって、孫の邇邇芸命に葦原の中国(あしはらのなかつくに)を治めよ命じ、命を受けた邇邇芸命が天の八衛(あめのやちまた)に差し掛かった時に、威光を放つ神が待ち受け、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が道に立っているわけを問うと、自分は猿田毘古神であると言う、猿田毘古神が何の通行かとと尋ね、猿田毘古神と天宇受売命の長い問答の末、天孫降臨であることが判ると、猿田毘古神は邇邇芸命一行を先導して無事降臨を果たすと言う物語の舞です。
 
 一人づつ舞台から去って行く
 


 
猿田毘古神の登場 
 

 

 八百万神が邇邇芸命一行を連れて猿田毘古神の前に通りかかる 
 



 
押し問答の中で八百万神が邇邇芸命を守ろうとする場面 
 



 
 猿田毘古神 邇邇芸命 
 



 
 猿田毘古神が先導役の舞 一人づつ舞台を去って行く 
 
 第四幕 八雲払(やぐもばらい) 八雲払いはご存知の通り、暴れん坊の須佐之男命が出雲の川上で八岐大蛇を退治して櫛名田毘売と結ばれると言う舞ですが、八岐大蛇は出雲系では蛇腹に人間が入って大蛇を表現するが、大野系の神楽では大蛇は俵を大蛇に見立て、それを真剣で斬り裂くと言うもので、斬り裂かれた俵は縁起物として祭場では藁俵を奪い合う一コマも見られるほどです。
 


 
 大蛇に仕立てられた俵
 

 

 櫛名田毘売と足名椎と手名椎の登場 須佐之男命の登場 
 



 
 嘆く事情を聞く須佐之男命 須佐之男命と結ばれると言う喜びの舞を舞う 櫛名田毘売
 



 
 大蛇退治に剣を振り上げる 剣が俵に食い込んだ瞬間 
 

 
 大蛇の首を振り上げる須佐之男命 大蛇の尻尾を斬り刎ねた瞬間 
 

 

胴体を斬り裂く  胴体をずたずたに斬り裂き、喜びに沸く足名椎と手名椎
 

 
 後書き、神楽は何度見ても飽きないが、このように写真にしてみれば静止しているので何のことかわからず、いくらその場面の状況を紙面で説明しても内容が伝わらない。
 神楽会館には多くの方がビデをカメラをセットして撮影をしながら鑑賞している姿が目立つ。
 来月4月3日には豊後大野市主催の神楽が能場公園の御嶽神楽殿で朝8:30分から夕方17:00時まで連続して神楽の舞が行われるので行って見たいと思います。
 豊後大野市の話では市の財政事情もあり、無料での奉納神楽舞は今年限りになるかも知れないが、今後も奉納神楽舞は続けて行きたいと実行委員会の方が話されていた。 
 大蛇を退治して勝ち誇る須佐之男命