神楽会館6月公演


 
 今回の神楽は御嶽流奥畑神楽と深山流朝地神楽保存会の方々の舞で、何と言っても御嶽流の舞は迫力があって見事な舞でした。
第一の演目は朝地神楽保存会の小学生と中学一年生の五方禮始で、大人と違って少しおとなしい舞でしたが、足の運びと言い手の動かし方は大人顔負けの所作で素晴らしかったです。

     
 神楽を奉納する神々の登場
 
    
      神楽を舞うに当たって神様に奉納報告                    調和のとれた舞

     
        中央(土の神)の迫力ある舞                      右から3に目の赤い服が指導員の子供さんとの事

 第二の演目は平国で、イザナミノミコトが生んだ火の神によって焼き殺されたイザナミノミコトを悲しんで我が子である火の神を殺したイザナギノミコトの怒りを鎮めようとする舞の物語、舞は単純に結界の中で東西南北の神に舞を披露するだけの舞だが、御嶽流の迫力ある舞に平凡さを忘れさせられる舞でした。
 

     
 単純な舞の中に迫力がある
 
    
 舞台を見て戴ければお祓いの神が千切れ、散らばっているのが判るかも

  第三の演目は柴引で、何処の神楽社も一つの目玉神楽として演舞している。内容は天照大神が天の岩戸に隠れ世の中が真っ暗になったので、二人の神が天の香久山に真榊を採りに行って、真榊を根こそぎ引き抜こうとする様で、観客を大地と見立て、観客が真榊を引き抜かれないように二人の神と引っ張り合いをする舞です。
 今回は二人の神の内一人が所用で参加できないとの事で、一人の神が二役を演じていました。
 
    
                 神の登場                               柴を探している様子
 
    
 神が柴を引き抜こうとするが、それを引き抜かれまいと必死に引っ張り合う様子。今回は私も引っ張り合いに参加しました。
 
 第四の演目は八岐大蛇退治で、御嶽流の大蛇は米俵を大蛇に見立て、それを斬り裂いて、俵や藁を神の縁起物として持ち帰り、家で俵や藁を細かく切って田畑に撒き、農作物の豊穣を祈ったとされている。私が幼少の頃は米俵に籾米を入れ、米俵が伐られ籾米が舞台に散乱したのを神の貢物として奪い合っていたのを思い出します。
 御嶽流以外の大蛇は、今ではほとんどが蛇腹の大蛇を使って演じています。
 
    
         米俵を大蛇に見立てている                翁(手名椎)・媼(足名椎)・姫(櫛名田比売)の三人が登場 

    
          大蛇に呑みこまれる比売を悲しんで舞う               悲しんでいる所に須佐之男命が通りかかる

     
    悲しみの事情を聞く須佐之男命         比売を嫁に頂けるなら大蛇を退治するとの言葉に、比売は喜びの舞を舞う

     
大蛇を睨みつける須佐之男命
     
     大蛇が呑み潰れているか忍び足で確かめてみる          眠っている大蛇に一刀を浴びせた瞬間
 
     
     一刀によって首が斬られた瞬間                       斬られた首が俵から切られ落ちる
 

     
       首と同様に尻尾も切り落とされる                     大蛇を退治して翁と媼と舞台を引き上げる