神楽会館8月公演の神楽は松尾神楽社だけの特別講演で、松尾神楽社のみで4演目を披露、松尾神楽は浅草流の流れを伝承し、神楽座としては最も古く400年の伝統を守っているとのことで、1972年に大分県の指定を受けていると記されています。 本日の演目は「地割」「五穀」「柴引」「岩戸」の4演目で、この4演目の2演目は天照大御神を題材にしたもので、他の二つは須佐之男命と邇邇芸命を題材にしたものでした。 第一演目は天孫邇邇芸命が葦原の中つ国に天孫降臨を果たすために中つ国に差し掛かると猿田毘古神が、天宇受売命を呼び止めて、何処へ行くのかと押し問答をするうちに、邇邇芸命が天孫降臨を果たすために来たことを知り、猿田毘古神が降臨の先導役を引き受けて、無事後輪を果たすという物語。 |
猿田毘古神の登場 |
天宇受売命一行の登場 |
猿田毘古神と天宇受売命の押し問答が始まる |
押し問答の話し合いがついて先導を引き受けるところ 猿田毘古神の退場 |
天宇受売命が退場したあと一行が喜びの舞を舞って退場する |
第二の演目は五穀で、高天原を追放された須佐之男命が八百万の神々に食物を与えている大気都比売神(おおげつひめのかみ)が、その食物を鼻・口・尻・陰部から食物を取り出して与えているのを見て、汚いと思い大気都比売神を殺してしまうと、殺された大気都比売神の頭から蚕が・目から稲が・耳から粟が・鼻から小豆が・陰部から麦が・尻から大豆が生じたため、須佐之男命は神産巣日神(かみむすびのかみ)にこれらを取らせて農作物の種子にしたという物語。 |
大気都比売神の登場 須佐之男命の登場 |
八百万神々はいないが、汚いことをするなと怒っている須佐之男命 |
須佐之男命が大気都比売神を切って殺してしまった 観客に種子に見立てたお餅を持って登場した八百万の神々の登場 |
客席に向かってお餅を撒いているところ |
お餅を撒き終えて退場する須佐之男命 須佐之男命に続いて八百万の神々も退場 |
第三の演目は柴引で、須佐之男命の乱暴で岩戸に隠れた天照大御神を岩戸から連れ出すため、思金神は二人(名は省略)の神に天ノ香具山に行って真榊を取ってくるよう命じ、二人の神が天ノ香具山で真榊を根こそぎ引く抜く様子を、観客に大地になってもらい芝を持たせて二人の神と引っ張り合う物語。今回は一人の神しか登場なし。 |
一人の神が登場 二人の神の名は天津児屋根ノ命と天ノ太玉ノ命だが今回の登場はどちらか判らない 右は思金神 |
客と芝を引っ張り合っている 芝の代わりに子供を舞台へ |
司会者と舞台で芝を引き合う 怖い面を見てもケロッとしている幼児 |
思金神の退場 柴引した神の退場 |
第四幕は岩戸で、天照大御神が岩戸に隠れた為、世の中が暗闇となり、天安河原に集まった神々は天照大御神をを岩戸から連れ出す対策を考え、岩戸の前で神がかりをしたような舞を舞うと、暗闇の中で何を騒いでいるのかと不思議に思い、そっと岩戸を開け覗いたときに、天手力男神が素早く岩戸を開き、天照大御神を岩戸の中から連れ出して世の中が明るくなり、高天原に平穏が戻るという物語。 |
天照大御神の登場 須佐之男命?(面は猿田毘古神だが・・)の登場 |
暗闇を嘆く神々の登場 岩戸に隠れる天照大御神 |
岩戸の前で踊る神々 天手力男神の登場 |
岩戸を開くよう命じられる天手力男神 岩戸に手をかける |
岩戸を引く天手力男神 岩戸を投げ飛ばす天手力男神 |
岩戸が開き中から神器が現れる 世の中が明るくなったことに礼を述べる |
平穏が戻り喜び合う 神々の退場 |
本日出演の松尾神楽座の人々 |