神楽会館で行われる神楽観賞に久しぶりに訪れた、会館で行われる神楽は毎月第3日曜日と決まっているため、その曜日に他の用事が入ったら観賞することができない。 久しぶりに見た神楽はやはり素晴らしい、今回は深山流朝地神楽保存会と庄内神楽保存会の皆様で、朝地神楽保存会は大野系の中で36番という最多の演目を有しており、また庄内神楽保存会は1778年に社家集団によって神楽の奉納が行われたという古い歴史を持っている。 今回どちらの神楽保存会も、インフルエンザに見舞われ、本来の舞手が確保できず、補佐として子供が駆け付け、大人と一緒に舞を舞って、子供の素晴らしい舞を見ることができた。 |
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第一演目 浅茅神楽保存会の「平国」で、イザナギノミコトは母であるイザナミノミコトを火の神であるカクツチノミコトが母を焼き殺してしまったのでイザナギノミコトがカツクチノミコトを切り殺した時に四神が生まれたので、その神々の荒魂を舞う舞だが、内容とは裏腹に違い、淡々とした舞ですが、この舞は神楽の基本を所作した舞のため、神楽座の実力が試されるという神楽だそうです。 |
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四人の神が四方安泰の舞を舞って終わる単純なもの |
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第二演目 庄内神楽保存会の皆様で「貴見城」で、古事記の海神宮(わだつみのみや)日本書紀の海幸山幸を題材としたもので、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)兄弟の物語で、兄に釣り道具を借りて魚を釣っていたところ、釣り針を魚に取られて兄に叱られ、困っているときに海神の助けを借りて海神宮(貴見城)を訪れ、釣り針を探し出し兄に返したという物語の舞です。 |
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最初は神が一人づつ現れ、そのあと海神の四人が現れ、結界の狭い場所で舞を舞う様は素晴らしい |
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第三演目 朝地保存会で「五穀米」葦原の中つ国の保食ノ命が食物の種を持っていると聞いた天照大神は月読ノ命に見に行かせると、保食ノ命が口から飯・魚・鳥獣を出して饗応されたのを汚しいものを出されたと怒って、保食ノ命を切って殺すと天照大神に怒られ、天照大神は保食ノ命の死体から生じた稲・麦・粟・稗・豆・の五穀を取って、人々に農耕を教え、五穀豊穣を祈願したという神楽です。保食ノ命が殺されたあと神々が盆に菓子やお餅をもって場内を回りお裾分けをして回ります。 今回この舞を舞ったのは全て中学生でした。 |
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最初の神が去ると激しく待って後の神も去って行く |
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中学2年生が演じる月読ノ命が登場 |
保食ノ命が食べ物を渡す仕草 |
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汚いものを出されたと保食ノ命を切り殺そうとする所作 |
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切り殺された保食ノ命が退場 |
盆に乗せた菓子類をもって会場へ |
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菓子類を渡し終えて退場する |
舞に登場した中学生達 |
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第四幕 庄内保存会で「戸開」で須佐之男命の乱暴に怒った天照大神は天岩戸に隠れてしまい、闇夜になった世の中を何とかして天照大神を天岩戸から出てもらう策を思金神は練り、長鳴き鳥を鳴かせながら真榊に作った鏡・玉を御幣とともに掛け、天手力男命を岩戸の横に隠れさせ、天宇受売命に舞を舞させると、外が騒がしいのを不思議に思った天照大神が外をのぞいた時天手力男命が岩戸を開いて天照大神を外に連れ出すと、高天原に平穏が戻るという物語の舞でした。 |
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思金神と天照大神が登場 |
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岩戸に隠れようとする天照大神 |
戸の横で身構える天手力男命 |
戸に手を掛ける天手力男命 |
戸を開く所作と開いた瞬間 |
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戸が開いたことに感謝 |
戸の中の祭壇 |
引き上げる天手力男命と思金神 |
第五幕 庄内神楽保存会で「大神」 すべての神楽が終わったと神様に告げる舞で、一人で四方にいる神に舞いながら伝える。舞は単純で、「平国」の舞を一人で舞っているようなもので、多くの人がこの舞を見ることなく帰り支度をする。 |
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新年は新年らしく和太鼓で幕開けし、新年にふさわしい神楽と予告があり、 2月は豊後大野市が誇る御嶽神楽が4時間にわたって繰り広げられるとのこと 例年1ヶ月前には前売り券が完売とのことで、来月清川の畑に行ったとき 買い求めようと思っています。尚、御嶽神楽は日本で最優秀賞をを得た神楽座です。 |
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神楽が終わったことを告げる |