豊後大野市の神楽会館では2月に毎年恒例で立春特別公演として旧清川村で産み出された御嶽神楽を奉納しています。 御嶽神楽は宝徳元年(1449)御嶽神社勧請の際に発祥し、勇壮な舞とその実力と信条が歴史的に評価され、今では国の重要文化財の指定を受け、江戸後期現在ある岩戸神楽の原型が創られたことが判り、無形の民俗文化財として学術的に貴重な芸能となっていると記されています。 |
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第一幕 「五方禮始」 神楽が行われるとき必ず最初に舞われる舞で、東西南北と中央の神が五方の神様に礼を尽くし、社地を清め奉ると言う舞です。 舞自体は単純だが古式にのっとり、ゆったりとした舞が特徴でした。 |
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第二幕は 「神逐」 天照大神が天の岩戸に隠れたのは須佐之男命の乱暴が原因だとして八百万神々が須佐之男命を高天原から追放すると言う物語で、舞台では須佐之男命と八百万神々の駆け引きと言うか、荒々しいしぐさの中にユーモア溢れる駆け引きが面白く、写真ではその表現を表すことは出来ない。 |
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八百万神々の登場 |
須佐之男命の登場を待つ神々 |
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須佐之男命の登場 |
登場するなり神を舞台から投げ落とす |
乱暴を働く前触れ |
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乱暴の数々が始まる |
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攻守代わって、今度は神々が須佐之男命を追放するために色んな手立てをする |
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弓矢を使って追放へ |
須佐之男命は抵抗するが、負けて追放される | 須佐之男命を追放して舞台を去る神々 |
第三幕 「天沼矛(あまのぬかぼこ)」 この演目を私は初めて見る舞なので、どんなんかなと期待したが、舞自体は優雅な舞でした。内容は天地が出来た時、人間の住む土地はクラゲのように漂っていたのを天つ神々が伊弉諾尊と伊邪那美命にクラゲのように漂っている国を固めよと命じ、命じられた二人の命は天の浮橋から天沼矛を大海原に差し込み矛の先から滴り落ちる塩が積もり重なって出来た島を(おのころじま)となずけたと言う舞でした |
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伊邪那岐命の登場 |
伊邪那美命の登場 |
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第四幕 「返矢」 天照大神が国譲りのため大国主神の所へ天之菩卑神を送ったが三年たっても返事がないので天若日子を派遣したが、この神は大国主神の娘と結婚して八年間経過を報告すなかったので、今度は雉の鳴女を遣わすと天若日子は雉の鳴女を矢で殺してしまい、殺した矢は高天原まで届いたので、その矢を投げ返すと天若日子に当たり死んでしまうと言う物語だが、この物語の内容は現在にも通用するものですね。舞自体は単調でした。 |
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天之菩卑神の登場 |
天若日子の登場 |
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神々のやりとりを演じている |
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第五幕 「八雲払い」 神楽ではこの物語と柴引が一番面白い、物語は高天原を追放された須佐之男命が出雲の川上で八岐大蛇に呑みこまれる運命にある櫛名田比売を助けるため大蛇を退治して櫛名田比売と結ばれると言う物語です。御嶽神楽では俵を加工して大蛇に見立て、その俵を伐り刻むのが特徴で、綱切りがこの演目によく使われる。 |
事の成就が終えて引き上げる |
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櫛名田比売の登場 |
須佐之男命の登場を待つ親子 |
須佐之男命の登場 |
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何を嘆いているのかを聞く須佐之男命 |
大蛇を退治した暁に櫛名田比売と結婚をと |
櫛名田比売が喜びの舞を披露 |
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舞終えた櫛名田比売が須佐之男命へ |
大蛇を睨みつける |
忍び足で大蛇に接近 |
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尻尾を繋いでいる綱を先に斬り落とす作業 |
太刀を振り上げ斬らんとする |
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太刀を振り下ろして首を刎ねた瞬間 |
首が吹っ飛んだ俵 |
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尻尾も切り落とす |
大蛇の腹に剣を刺し草薙の剣を取り出す |
胴まで切り刻む |
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切り刻まれた俵 |
観客に礼を述べる須佐之男命 |
舞が終わり引き上げる翁と媼 |
第六幕 「大神」 大神の舞は神楽が無事に終わったことを告げる舞で、一人の神が五方に対して優雅に舞を舞う。 |
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御嶽神楽は関東や関西まで出かけています。東北の宮城神楽や出雲神楽と一味違った豪壮な神楽を是非ご覧になってください。 |