神楽会館5月公演




 今回の神楽は浅草流大迫神楽と浅草流黒松神楽の共演だったが、浅草流といえば軽快さあふれるスピード感を持った舞なのだが、一つの演目を除いて若干軽快さが足りなかったかな?また演目の内容が資料に記載している舞と若干違っているように見受けられた。

 第一幕 「試験剣」 須佐之男命の乱暴で天照大御神が岩戸に隠れ、暗闇になった世の中を諸神によって、天照を岩戸から連れ出し、世の中が元に戻った喜びを八百万の神が剣をもって舞う舞だが、須佐之男命の姿がなく、須佐之男命を懲らしめる場面もなく、10代から20代の若者の舞のためスピード感はあったが、演目としては物足りなかった。




八百万神々の登場






若いからか、激しい舞が続く



 第二幕 「綱乃波」 天照大神が天服織女に神々に捧げる衣服を織らせ、織りあがった布を清らかにするためさらしていると、いたずら好きの男神が現れて冷やかすという舞。この舞は説明に沿って行われていたが、男神(チャル)のいたずらが若干弱く笑いを誘う場面が少なかった。



退場前の舞、さらに激しく
天服織女の登場






舞う前のしぐさ
布を折りたたんで晒すしぐさ






男神(チャル)の登場
晒しの邪魔をする男神

 第三幕 「誓約」 伊弉諾尊が子である天照に高天原を須佐之男命には海原を支配するよう命じたが、須佐之男命はそのことに不満をもっていたが、ある日大きな足音を立てながら天照大神の所へ高天原を去る旨を伝え立ち寄ったところ、足音があまりにも大きかったので天照大神は弓を取って身構え「何しに来た」問いかけると、高天原を去るにあたって二心のないことを伝えに寄って誓約を交わしに来たと告げる舞です。内容が分かるように天照大神と須佐之男命が声を出して演目の内容を知らせたところが良かった。





大きな足音を立て登場する須佐之男命






左 弓矢をもって登場する天照大神
天照大神を待つ須佐之男命
何事かと問いかける天照大御






問答が始まる
誓約をする須佐之男命





 第四幕 「貴見城」 海幸彦と山幸彦が漁具と猟具を取り換え、猟具をを持った山幸彦は釣り針を魚に取られ、海幸彦に叱られ、最後には海神の神によって釣り針が返り、叱った海幸彦は山幸彦に従うという物語だが、今回の舞には海幸彦と山幸彦は登場せず、二人の神に従う八百万神々だけの舞となり、単純な舞となった、これも舞ての減少が禍いしているのかな?よって説明している内容と大きく違って内容が初めての人には判らなかったのでは!

制約が終わり、喜ぶ天照と須佐之男命、そして退場






八百万神々の登場と四方の神と中央(地神)へ舞を収める、本来なら最初に海幸彦と山幸彦が登場するのだが、今回はなし





 来月の神楽会館6月公演は御嶽神楽一座で、予約販売状況を見ると、やはり神楽は御嶽神楽と思っているのか、残っている座席は数少ない、聞けば4月段階でほぼ座席が埋まったとのこと、因みに今日の入場状況は座席の三分の二ぐらいだったかな?

舞の内容は剣の舞に似ていた、右は舞い終えて退場