神楽会館   12月公演



 12月公演は大分市内にある二豊神楽社と豊後大野市緒方三社神楽保存会の一般公演で、第五幕が披露されました。
 二豊神楽社は昭和49年11月に建設会社のサークル活動として設立された神楽社で、県内に残る神楽社としては一番新しく、大分市内や別府市内の神社で春・夏・秋の大祭や老人ホームなどのイベントとして神楽の奉納を行っている。
 緒方三社神楽保存会は緒方一ノ宮社・二ノ宮社・三ノ宮社に所属する神楽座で、御嶽流を引き継ぎ勇壮で重厚感のある舞を信条として、昭和42年に県の無形民族文化財として指定され、伝統を守るだけではなく線形性の高い神楽座です。
 なお、今回一眼レフカメラを忘れたため、二眼デジカメで遠距離から望遠にして撮影したため写りは良くない。


 第一幕 「太平楽」 天孫邇邇芸命が多くの供を引き連れて筑紫の日向のくじふる嶽に無事に降臨を果たしたことを祝って、天津久米命と天石門別神が、この無事を祝って天下泰平の舞を舞ったという物語の舞です。
 舞に勇壮さはあるものの四方の神々に知らせるための舞で同じことを繰り返す舞です。

 (緒方三社神楽保存会) 1幕と3幕




天上界の神と地上界の神の登場






降臨を果たす前と果たした後の舞
四方の神に降臨を果たしたことを告げる



 第二幕 「本剣」 須佐之男命の悪戯で天照大神が天の岩戸にお隠れになり、世の中が暗闇と化した中、八百万の神々が相談するなか手力雄神が天照大神を岩戸から連れ出し、世の中が再び明るくなったことをお祝いする剣の舞です。
 これも祝いの舞として四方の神々に知らせる舞のため、舞としての単純さはになめない。

 (二豊神楽社) 2幕と4幕と5幕



舞を終えて引き上げる
神々の登場






鈴とお祓い紙での舞
鞘を抜いて本剣で舞を始める





 第三幕 「高御座」 天照大神は大国主命に葦原の中つ国を譲らせるために建御雷乃男神と天鳥船神を派遣すると、二人の神は剣を逆さにして波の上に立て、その件の上に胡坐をかき、大国主命にその威勢を誇示して談判するなか、大国主命は息子と相談するなかで天上界の神にこの国を譲ることにした言う物語です。

鞘を抜いて本剣で
舞を終え引き上げる






天上界の神々の登場






天上界の神々
天上界の神と直談判






天上界の神と直談判
直談判を終えて
チャロの登場






チャロの舞
国譲りが終わり喜ぶ八百万の神々

 第4幕 「国司」 国司の内容は「高御座」と同じ内容で、高帝産霊尊が経津主命と武甕槌命を出雲に遣わし大国主命に国譲りの談判を行わせ、大国主命は恩子事代主命と相談して国譲りを行うという勇壮な舞です。
 高御座と違うのは登場する神々の名が違うのと大国主命が鯛釣りを行って天上界の神に鯛を与える所作かな?





天上界の神登場






天上界の神々






談判を行う場面
大国主命の化身といわれるチャロの登場






大国主命が竿を取り出して鯛釣りを始める。 






釣り上げた喜びを舞で
鯛の献上
大国主と天上界の神々の退場



 第5幕 「大神」 神楽が無事に終わったことを告げる舞で、神に感謝し天下泰平を祝う意味を込めた舞で、舞自体は神一人で舞う単純な舞です。



チャロを残して引き上げる神々
神楽の終わりを告げる






四方の神に神楽が終わったことを告げる