神楽会館 3月公演


 

 今回の神楽は豊後大野市朝地町の板井迫明神社神楽座と豊後大野市千歳町の浅草流大木神楽です。板井迫明神神楽座は板井迫地区に伝わる深山神社を中心に発展し、深山流岩戸神楽を継承する神楽座で第一幕と第三幕を演じた 。
 浅草流大木神楽は千歳町大木にある三島神社に所属する神楽座で、千歳町には2座の神楽座があり、何れも浅草流を継承している。今回は第二幕、四幕と五幕を演じた。


  第一幕 「神逐」 天照大神の岩戸隠れは一段落したが、岩隠れの原因を作ったのは須佐之男命であり、八百万神々は須佐之男命に罰を与えようと、彼を取り押さえ高天原から追放する物語で、須佐之男命と八百万神々との掛け合いが面白いが、今回の掛け合いは優しい仕草で少し物足りなかったが、八百万神々の中に中学生ぐらいの若者がいて素晴らしい舞を見せていた。
 

 

 
八百万神々の登場
 
 

 



 須佐之男命が登場
お面は神楽社によって違う
 
須佐之男命の乱暴が始まる
 
 



 


 
須佐之男命の乱暴を戒める八百万神々達
 
 

 



 
 高天原から出て行けと迫る八百万神々
高天原から出て行く須佐之男命
 
 


 第二幕 「柴引」 天照大神が須佐之男命の乱暴に怒り、天岩戸に隠れたために世の中が暗闇になったため、思金神が二人の神に天の香具山から真榊を取ってくるよう命じ、二人の神が真榊を根こそぎ引き抜く様で、大地を観客に見立て真榊が大地から引き抜かれないように神と観客が柴を引っ張り合う力比べの舞。

  


 
 追放を喜ぶ八百万神々
天津児屋根の命の登場
 
 

 



 
今回は天津児屋根の命を始め四人の神が登場して早速柴引を始める
 

 

 

 天ノ布刀玉ノ命の登場
怖がって泣き叫ぶ子供を抱いて・・・
 
 

 

 

三重総合高校神楽部の生徒と柴を引っ張り合う
 

 
 第三幕 「天皇遣」 天照大神が使者を遣わして、下界に居る大国主神に葦原の中つ国を譲るよう迫る国譲りの物語で、大国主神は我が子と相談の上、天上界の神に国を譲ることを決めたが、未練が残るのか大国主神はチャルと呼ばれる道化役に扮して中つ国に行こうとするが阻止される。チャルの動きは軽快なユーモラスで滑稽な動きをするのだが、今回は観客を笑わせるようなしぐさが少なかった。

 
 

舞を終えて引き上げる二人
 
下界に遣わされた三人の神々
 
 

 

 

 天上界に下界に降り立ったことを告げる
神々の面、案内役の猿田彦が抜けている
 
 

 

 

 迎えに出た八百万神々
  
 

 

 

チャルの登場と葦原の中つ国へ行こうとして阻止されたチャル
 
 

 
 第四幕 「退治」 高天原を追放された須佐之男命が出雲の川上を訪れると、八岐大蛇に呑まれる運命にある櫛名田比売とそれを嘆く足名椎と手名椎と出会う、その話を聞いた須佐之男命は櫛名田比売を嫁に来れるなら、その大蛇を退治すると言って、強い酒を造らせ、大蛇が酒を飲んで眠っている所を十束の剣で大蛇を切り倒して退治し櫛名田比売と結ばれると言う物語の舞です。
 
 

 無事引き渡しを終え喜ぶ八百万神々
八岐大蛇に見立てた俵
 
 



 
 

老夫婦と比売の登場
 
須佐之男命の登場
 
 



 


 
嘆きを聞く須佐之男命
 
 



 


 
 嫁への喜びを舞う櫛名田比売
俵に見立てた大蛇に立ち向かう須佐之男命
 
 



 


 
 首と尻尾を結んでいる綱を斬る
首を刎ねた瞬間
 
首が落ちる
 
 



 


 
 今度は尻尾をめがけて、尻尾を斬り落とした瞬間
 
首と尻尾が胴から離れる
 
 



 


 
 対峙したことを告げる
胴をずたずたに斬り裂く
 
 

 



 
八岐大蛇を退治したことを天照大神に報告
 
引き上げる老夫婦
 
 
 第五幕 「大神」 神楽が無事終わった事を告げる一人舞で迫力に欠けるが、東西南北と中央の神に感謝の意を示す舞はそれなりに優雅である。
 


 
 

 神楽の終わりを告げ舞が始まる 
 



 

 神楽の舞は各神楽社によって舞い方が違い、優雅な舞や乱暴な舞、緩やかな舞や激しい舞などそれなりに見る舞はそれぞれ素晴らしい。
  
優雅な舞が五分ほど続く