神楽会館10月公演


 久しぶりの神楽観賞、神楽会館では毎月神楽の奉納が行われていますが、なぜか神楽奉納日に限って色々な用事が出来て観賞が出来なかったが、今回は他の用事もなく、畑仕事も一段落したこともあって観賞することが出来た。
 今回の神楽奉納は大分市稙田地区の「大分神楽社」と大野町の「浅草・犬山神楽」の神楽座が共演を行い、大分神楽社は大分市内では最も新しい神楽座で、比較的若いメンバーで構成されているとのこと、犬山神楽は大野町に浅草神社付きの神楽座と上津神社付きの犬山神楽があり、今回はどちらも浅草流を引き継ぐ犬山神楽の奉納で県の文化財指定を受けていますが、過疎化が進むなか後継者不足が心配とパンフに記載されていました。


 第一幕 「五方礼始」 五方礼始とは神楽を奉納するにあたって、東西南北と中央の五方の神様に礼を尽くし、社地を清める舞いとあり、舞自体は単純な舞です。
 五方の神は、東が木の神、南は火の神、西は金の神、北は水の神、中央は土の神とあり、人の幸せを祈願する物語の舞とあります


まず東の神が登場 三番目の南の神まで登場



五番目の土の神が登場 五人の神が揃う 東西南北中央の神に礼を尽くす舞が始まる


 第二幕 「鹿児弓」(かごゆみ) 鹿児弓とは日本の神話による天岩戸が開かれ、天照大神が連れ出されて再び世の中が明るくなったのを八百万の神々が鹿狩りに使う天ノ鹿児弓と天羽羽矢を持ってお祝いに舞う神楽ですと記されています。
 この舞も五方礼始と同様に単調な舞です。

礼を尽くし終えて退場する 最初の八百万の神が登場



三人まで登場 四人の神々が出そろう 四方の神に祝いの礼尽くしながら舞う



矢を掲げて祝う 中央の神にも礼を尽くす 祝い舞って退場する

 第三幕 「綱切」 綱切とは須佐之男命に擬した舞い人が、はじめに申し立てをし、次に「八雲払」の神文を語り、八岐大蛇を伐り鎮めることの呪文を唱えて、大蛇に擬した俵を伐り裂くと言う舞です。


大蛇に見立てた俵 俵を伐る呪文を唱える



四方の神に俵を伐ることを報告する 大蛇を伐り鎮める神文を唱える 刀を抜き俵を覗う



神文を唱えながら大蛇の動きを覗う所作



綱を結んでいる綱を斬る所 綱を切ったところで一太刀をかざす 一太刀が入り、左が斬り落ちる



二太刀めで右が斬り落ちる 丸裸になった俵 大蛇を鎮め終えたことを唱える

 第四幕 「国司」 国司とは日本神話における出雲地方のために降到(あまくだり)する神話を題材とした舞で、高皇産霊尊が武甕槌命と経津主命を遣わして、大国主命と国譲りについて談判をすると、大国主命は御子事代主命と相談して国譲りを行う勇壮な舞で、俗称鯛釣りともいわれる舞です。


二人の神が登場 大国主命が登場



経津主命 高皇産霊尊 大国主命



大国主命の化身であるチャロの登場 大国主命は国譲りをしたくない心をチャロに化身して表す



大国主命の子供である御子事代主命の登場 チャロに化した大国主命が子供に話しかける 大国主命親子



御子事代主命 御子事代主命とチャロの駆け引き



御子事代主命に寄り添って国譲りを話し合う 国を譲ることを使いに告げる



 神楽は何度見ても見飽きないが、それでも単調な舞ばかりだと、神話の説明のどのあたりを表現してるのか分かりづらい。やはり説明の判る表現を模した舞の方が良い。
 次回は10月30日に豊作を祝う秋の神楽大会が能場会館で、8:30分から17:30分まで開催されるので、早めの畑仕事を終えて行って見ようと思っています。


国譲りが終わって退場する



残った神々も退場へ