神楽会館7月公演


 夏の暑さに負けじと1時間半ほど畑仕事をしながら、今年ほど夏野菜の収穫は無かったな!とぼやきながら仕事じまいして神楽会館へ、会館に着くと座席はほぼいっぱいに埋まっており、神楽の人気度が思われる。
 神楽社は由布市の庄内原神楽保存会と大分市の二豊神楽社で、私は二豊神楽社が始めてなので、どんな舞を見せてくれるのか楽しみに舞を見てきました。
 第一の演目は二豊神楽社の「太平楽」で、袖から出てきた舞手さんの衣装と舞方が、今まで見てきた「太平楽」の舞型や衣装とは違って引き付けられる舞でしたが、舞自体は何処の神楽社とも同じ単調な舞でした。

    
上下のような単調な舞が最初から最後まで続く

   

舞が終わって一列に並び引き下がっていく所作

 第二幕は庄内原神楽保存会の「貴見城」と言う演目で、内容は古事記の「海神宮」(わだつみ)を題材にしたもので、兄弟で弓と釣針を交換して、釣りに行った弟が釣針を釣針を取られて、兄に釣針を返せと難癖を言われているとき、海神によって釣針を探し出してもらい、海神宮「貴見城」に礼を述べに訪れるという物語の舞で、神の衣装と神々の舞が素晴しい所作です。

   
兄弟神の登場

   
どちらが兄で弟か分からないが、派手やかな衣装が目を引く

   
付き添いの神々が派手やかな舞を披露しながら舞台を去っていく

 第三幕は二豊神楽社の「日割」で、日割とは古代中国の易経の中から取題したもので、1年360日を東を木の神・南を火の神・西を金の神・北を水の神・中央を土の神として、日にちを5等分に分け与えるという舞だが、最後まで土の神に日にちを分けてもらえなかったので、怒りを爆発させるという物語の舞です。

   
土の神と右日割の神の登場

   
日割の神が他の神々を従えて登場し、神岩(天岩戸)に礼をする

    
東西南北の4神の登場、日割神が4神に日割を告げると土の神が怒りだす。

    
怒りだした土の神に罰を当てたあと、日割を告げると礼を述べる土の神

   
引き上げる日割神と舞ながら舞台を去る東西南北と土の神々

 第四幕は「国司」と言って、神話における出雲の大国主命を題材にした物語で、大国主命が天照大御神大神の命によって出雲の国を高天原に返すなかで、何人かの神が登場するが、その神は今でいう一人芝居みたいなもので、鯛釣り神や道化師は、大国主命が国を譲るのが悲しいなかで変化した神と言われている神の物語です。

   
大国主命の一行が登場

    
大国主命に使える神と大国主命

    
大国主に使える神と出雲の国を譲り渡すよう申し出る神々

    
そこに大国主命が道化師「チャロ」になって登場

    
チャロの大国主命が国譲りを迫ると、国を譲るしるしの矛をチャロに渡す大国主命

    
そこへもう一つの釣り神に扮した大国主命が現れてチャロと同様の笑い所作をして、場を和ませる。

    
笑いを取る所作と引き上げる神々