石垣神社秋季大祭
庄内神楽

 私の住居近くにある石垣神社が9月第4日曜日に毎年恒例の秋季大祭を行って来たが、このコロナ化感染症拡大によって2年間中止に追い込まれ、今年は感染症の規制が解かれたため3年目ぶりの開催となり、午前中に大祭の儀式を終え、13時より恒例の神楽大会が開催となっていたが、13時半より神楽好きの私にとっては他の用事があり、神楽観賞に行けたのは14時すぎで、神楽の演目は判らないが既に一つないし二つは終わっていた。
 石垣神社で行われる神楽奉納は庄内神楽ですが、庄内神楽には幾つかの神楽座があって、今年の神楽は見慣れている神楽の舞方と違って、荒らしさが無く少し優しい舞みたいだったが、いつもと違って舞台がやや小さめになっており、その関係かも知れなと思って観賞に見入って、午後のひと時を過ごすことが出来ました。

 第1演目 「貴見城」 貴見城とは、海の幸彦、山の幸彦の物語で、兄の火照命と魚の道具を交換した弟の火遠理命は、漁にでて魚に釣り針を取られ、仕方なく自分の剣をつぶして作った釣り針を兄に返しますが、兄は元の釣り針を返せと迫ります。弟が海岸端で佇んでいると、塩椎神が現れ、綿津見神の宮殿に送ります。そこで過ごすうち綿津見神の娘である豊玉毘売と心が通じ合い、釣針も見つかったことから、ようやく兄に釣針を返しますが、兄は許さず弟を責めます。しかし綿津見神から授かった二つの珠で兄は負け、弟の守護役になったという物語です。


弟の火遠理命の登場 兄の火照命と他の神の登場



兄弟のやり取りの舞が始まる 他の神々の退場

 第2演目 「国司」 国司とは、国譲り、または鯛釣りとも言って、日本書紀の国譲りの段から作られた物語で、出雲の大国主尊の所に高天原からたけかづちの尊、ふつぬしの尊が使者として訪れ、この国を天照大神に差し出すように伝えると、大国主命は出雲の国を子供の事代主尊に譲って、自分は隠居しているので子供と相談して返事をします答え、その時事代主尊は三保埼で魚を釣っていたので使いを出し、子供を呼び戻して親子の神は相談して、出雲の国を譲ることに決めたと言う物語の舞です


囃子の演奏が始まる たけかづちの尊の登場



ふつぬしの尊の登場 大国主命の登場 けかづちの尊、ふつぬしの尊と大国主命



けかづちの尊 大国主命 ふつぬしの尊



大国主命の子供登場 大国主命の化身であるチャル登場 チャルの舞



おどけ顔のチャル 大国主に抱かれる幼児たち 国譲りを嫌がる化身のチャル



大国主命の子供が魚釣り始める チャルが客から頂いた金を釣り針に付ける それでも嘆くチャル



嫌がって柱にすがるチャル 大国主命の子供と相談する親 話が決まって使者が帰る



 第3演目 「日割」 日割とは、古代中国の易経の中から取題したもので、1年を360余日、東を木の神、南を火の神、西を金の神、北を水の神、中央を土の神の五柱の神、即ち春は木の神、夏は火の神、秋は金の神、冬は水の神に分け、最後に各季から18日を分かち72日を土用として土の神に分け与え、四季を五等分に日割する暦作りの舞です。
使者の随行神の舞 随行神の退場



日割をする神の随行神登場 日割神の登場 神々の登場



随行神の舞 土の神登場 日割を請求する土の神



土の神が日割を不服として日割神に詰め寄るさま



怒りさめぬ土の神 72日を頂き納得の土の神 神々の退場

 第4演目 「大蛇退治」 八雲払いとは高天原を追放された須佐之男命は出雲の川上を訪れると、そこで八岐大蛇に呑まれる運命にある櫛名田比売と、それを嘆く親の足名椎、手名椎に出会います。そこで須佐之男命は櫛名田比売を自分の嫁に戴けるなら大蛇を退治すると言って、櫛名田比売を櫛に変身させ、自分の櫛に刺し、足名椎と手名椎に強い酒を八つの瓶に入れて持ってくるように命じ、大蛇が酒を飲み干して眠っている所を須佐之男命は十拳剣を抜いて大蛇を退治し、櫛名田比売と結ばれると言う物語の舞です。


足名椎の登場 櫛名田比売の登場



手名椎の登場 嘆く三人 須佐之男命の登場



嘆く理由を聞く須佐之男命 舞台下で真似する子供



見ててほほえましい 須佐之男命に嫁ぐ嬉の舞 老夫婦の退場



大蛇の登場 ここからは大蛇の所作が始まる



大蛇を斬る真似をする子供 大蛇と須佐之男命の闘いが始まる



襲いかかる大蛇に幾度となく挑む須佐之男命



 神楽は日本の神話を大題にした物語を大太鼓や笛、小太鼓に鉦の音色に合わせて舞を舞う物語で、その物語の内容を知っていれば見ているときに、舞が今どのシーンを舞っているか理解できてとても楽しく観賞することができるが、内容が判らなければ神楽の面白さが半減するかも、でも見るうちに内容が理解できるようになるよ。
大蛇を退治する


勝ち誇る須佐之男命