わが青春つきるとも
伊藤千代子の生涯


 戦前、治安維持法と言う共産党運動に対して過酷な弾圧を行ってきたことに対して、ふたたび戦争と暗黒政治を許さないとして戦ってきた伊藤千代子さんの映画を見てきました。
 この映画は私の加盟する年金者組合、医労連、国民救援会など平和を愛する各団体の援助金で制作され、題名は「わが青春尽きるともー伊藤千代子の生涯」として上映され、映画を見ていると戦前の日本と現在の日本とでは国民の弾圧の仕方は変わっていても同じではないかとつくづく思ったのは私だけでしょうか。
 戦前は貧しい生活で劣悪の環境に置かれた職場で、身を粉にしながら家族を助けるために働いている人々を、これでもかと痛め続ける権力者の傍ら侵略戦争に駆り立てる政府、現在は生活苦で命を落とす国民のことなど、金持ちにならないあんたが悪いと、消費税の増税や年金給付の削減、生活保護費の減額など、戦前も戦後も貧しい人を切り捨てる傍らに、年収数億円と言う富豪を支える政治は今も戦前も変わりはない。
 戦前、戦後もそのように苦しめられている国民を何とかしなければならないと立ち上がったのが日本共産党でした。伊藤千代子自身は貧しい家庭に生まれたわけではないが、苦しい生活のなかで懸命に働く少女たちを何とかしなければと思っているとき、同じ考えを持って活動している人たちと出会い、治安維持法によって共産思想を持っている人々を、弾圧する特高から逃れるように活動するが、活動する仲間の裏切りから特高につかまり、生死をさまよう拷問を受けるが、仲間を裏切ることなく、未来は平和で貧困のない世の中が来ると信じ、訴えながら拷問がもとで24歳と言う短い生涯を終えました。
 この時特高によって拷問による死亡者の中に、映画の中で同じ刑務所にいた女性の仲間で田中サガヨ・飯島喜美さんなど多数がいました。この文を読んで特高に虐殺された有名な人物、小林多喜二さんや岩田義道さんはご存知でしょうか。
 戦前も戦後も国民の幸せを願って奮闘しているのは、私が支持している政党では日本共産党だけだと思っています。それは選挙が近づけば国民に寄り添うような真似ごとをしても、選挙が終われば何事もなかったかのように、他の政党は権力者へと馳せつけているからです。

    
伊藤千代子 スクリーンの一画面