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豊後大野市が市制10周年記念事業として「全国神楽大会」を総合文化センターで開催されたのに合わせて今回は清川神楽会館での神楽観賞は諦め、三重町の全国大会を観賞してきました。 全国大会は3月21日・22日の二日間に亘って開催され、県内2団体、県外5団体の神楽座と12の保存会によって、21日は9幕、22日は10幕の神楽舞が催されました。 私は22日の神楽大会を楽しみましたが、神楽座や保存会の中で遠くは岩手県の早池峰大償神楽保存会をはじめ島根県石見神楽保存会久城社中、島根県大土地神楽保存会神楽方、岡山県美栄社神楽社中、福岡県黒土神楽講の方が大会に来られましたが、福岡県の神楽は前日だったため見る事が出来なかったが、 岩手や島根、岡山の神楽は大分県の神楽と違ってお面や衣装、舞い方が違い、特にお面に関しては素顔で舞を舞い、舞い方もおとなしく、私から見れば勇壮さに欠ける神楽舞でしたが、特に圧巻だったのは石見神楽の「大蛇」で、八岐大蛇が8匹舞台に現れ壮絶な展開を繰り広げる動きに圧倒されました。 神楽は同じ題目の舞でも神楽社や保存会の舞方で若干の違いがあり、何度見ても飽きが来ない。4月5日には清川村の能場公園で豊後大野市主催の神楽大会が御嶽神楽殿で朝8:30分から17:30分まで開催(無料)されるので見に行って来たいと思います。 |
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第一幕 犬山神楽保存会の「神逐」(かみやらい) 「神逐」とは須佐之男命の乱暴により天照大御神が天岩戸に隠れてしまい、思金神や大手力男神の努力によって何とか天照大御神を天岩戸から出てきてもらったものの八百万神々が悪さをした須佐之男命に怒り、須佐之男命の髭や手足の爪を切り、抵抗する須佐之男命を高天原から追放するという物語の舞 |
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第二幕 大土地神楽保存会神楽方 「荒神」 「荒神」とは天照大神の勅命により、タケミカズチノカミとフツヌシノカミが出雲の国を譲り受けようと大国主大神訪ね、稲佐の浜で話し合った結果、出雲の大社を作ることを条件に承諾されたが、タケミナカタノカミは納得がいかず、力比べを行った結果敗戦し、諏訪へ追われたが、大国主神に従ったことで天照大神が諏訪大社を造営してタケミナカタノカミに与え、タケミナカタノカミがこの地方を守っていくという舞でした。 |
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第三幕 浅草流大木神楽 「地割」 「地割」とは天照大神が我が子である天之忍穂耳命(あめのおしぼみみのみこと)の勧めで、孫の邇々芸命の葦原の中国を治めよと命じ、降臨する邇々芸命が天の八衝に差し掛かったとき、威光をはなつ神がいたので、訳を訪ねると「自分は猿田毘古神で、何の通行か」と訪ねると、邇々芸命が天孫の降臨であると話すと猿田毘古神が一行を先導して降臨を果たすという物語の舞です。 |
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昼食休憩 |
第四幕 奥畑神楽 「五穀舞」 「五穀舞」とは高天原を追放された須佐之男命は八百万の神に食物を与えている大気都比売神に出会い、良く見ると大気都比売神が食物を鼻や口、尻から食べ物を出し、与えているのを見て汚いと思い大気都比売神を切り殺してしまうと、切り殺された大気都比売神の頭に蚕が、目から稲が、耳に粟が、鼻に小豆が、陰部には麦が、尻に大豆が生じたため、神産巣日神がこれらを食物の種子にしたと言う物語の舞でした。 |
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第五幕 美栄社神楽社中 「国譲りの舞」 「国譲りの舞」とは大国主命が葦原中津国を高天原の勅旨に献上する経緯を説く神能で、大国主命が中津国の竃を巡り福の種を撒くなか、フツヌシノミコトとタケミカズチノミコトが国譲りを迫るが、話し合いが決裂するなか稲脊脛命の仲介によって大国主命が皇孫に献上することを決定するが、建御名方命が国譲りに反対するが、フツヌシノミコトとタケミカズチノミコトとの激戦に負け恭順を誓うという物語の舞でした。 |
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小太鼓は中学生? |
第六幕 石見神楽保存会久城社中 「大蛇」 「大蛇」とは高天原を追放された巣さ之男命が出雲の国を流れる斐の川の川下で箸が流れるのを見て、川上に人が住んでいる事を知り、川上に上がってみると、そこに老夫婦と娘が嘆き悲しんでいるので、訳を尋ねると奥山に大蛇が住み、毎年出てきて娘をさらって行き、八人いた娘のうち七人がさらわれ今一人だけとなり、一人残った娘も連れ去られるという話を聞いた須佐之男命は老夫婦に毒酒を造らせ大蛇に飲ませて退治すると、大蛇の尾から剣が出てきたので、その剣を天のムラ雲剣と名付け、天照大神に献上し、この剣はのちに草薙の剣と改名され、三種の神器の一つとなり、助けられた娘と須佐之男命が結ばれて地方の産業治水に努力されたという舞です |
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八岐大蛇 八匹の大蛇 |
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第七幕 早池峰大償神楽保存会 「天降り」 「天降り」とはアマノニニギノ命が天照大神から豊葦原の中津国を治めよと言われ、アマノウズメノミコト・アマノオシボミミノミコト・アマノクシツノミコトの三名を連れて日向の国・高千穂に天降り、一行を迎えに向かう猿田彦命との出会いで舞を納めた舞でした |
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第八幕 御嶽神楽 「高御座」 「高御座」とは天照大神は大国主命に葦原の中津の国を譲らせるため建御雷之男命と天鳥船神を派遣するが、建御雷之男命が十拳剣を抜いて国譲りを迫るなか、須佐之男命は二人の子供と相談し、兄は承諾するが弟が反対したため、須佐之男命は高天原に帰って報告する中で、天照大神はわが子の天之忍穂耳命に葦原の中津国を支配するよう命じるが、孫のニニギノミコトに支配するよう願い出ると孫のニニギノミコトに降臨を命じたという舞でした |
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第九幕 浅草流松尾神楽 「退治」 「退治」とは「大蛇」の内容と一緒で、須佐之男命が八岐大蛇を退治して櫛名田比売と結ばれるという物語の舞でした |
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支え綱を切る |
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首が切り落としたところ |
尻尾を切り落としたところ |
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第十幕 浅草流大迫神楽 「岩戸開」 「岩戸開」とは須佐之男命の乱暴に怒った天照大神が天岩戸に隠れたため、世の中が暗闇となり、天安河原に集まった神々は思金神に対策を頼むと思金神は策を設け、長鳴鳥を鳴かせ、鏡・玉を作り、それを御幣とともに真榊の枝に掛け、天手力男神が岩戸の脇に隠れ、天宇受売命が天岩戸の前で神がかりをしたように舞っていると、天照大神は「私が隠れているのに何故外は賑やかなんだろう」と少し岩戸を開けると、鏡と玉を差し出され不思議に思った天照大神が大きく身を乗り出すと、天手力男神が岩戸を開いて連れ出すと高天原に平穏が戻ったという物語の舞でした |
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岩戸が開いたことに出演者が礼を述べる |
天手力男神へ礼を述べる思金神 |
天照大神の舞 |
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清川に伝わる御嶽神楽は宝徳元年(1449年)大友宗麟がこの地に御嶽神社を勧請した際に発祥した神楽と言われ、江戸時代後期には神主加藤筑後守長古が現れ従前の神楽を工夫し新たな神楽を編みだし、現在の大野系岩戸神楽の原型を創った神楽座と言われている。しかし近年過疎化が進み一時その存続も危ぶまれたが、当時の清川村あげての保存運動によって復活し、毎年4月の第一日曜日に行われる御嶽流神楽が東京国立劇場や国際民俗芸能フェスティバルの出演など県内外で活躍している。 |