阪急「連帯を考える会」の報告 おはようございます。阪急「連帯を考える会」の尾崎です。 契約社員を含めて、これまで子会社あるX阪急レールウェイサービスに雇用されてた労働者が今月1日付で阪急電鉄の直接雇用に切り替わり、新たに350名が阪急労組の組合員となりました。 私は、この一年間の私達の「会」の活動内容と、職場環境の変化について発言いたします。 昨年の12月18日、『阪急、車掌ら840人本社雇用』の記事が讀賣新聞、夕刊の一面に掲載されました。 当時は全国で「派遣切り」「期間工切り」の嵐が吹き荒れていました。そんな時、阪急電鉄本体の直接雇用になるわけですから、マスコミも注目したのも当然です。 これまでの全国交流集会で発言してきたように、阪急の職場は給食費の値下げ”や通勤費の支給枠の拡大”など、主に福利・厚生面での前進を勝ち取ってきました。 毎年行ってる私鉄「連帯する会」の春闘アンケートに非正規対策”の設問を独自に加え、職場の労働者との対話活動をすすめ、「せめて福利・厚生は社員並みに」を職場要求として『労働組合とともに』活動を進めてきたことが、これまでの経過でした。 しかし、非正規労働者のみなさんの最大の要求は『身分の安定』『終身雇用』というかたくな姿勢を崩しませんでしたが、「子会社の労働者を車掌として電鉄本体の業務につけることは『偽装請負』になるのでは?」と職場新聞などで訴え、労働組合とも対話を旺盛にすすめてきました。 そのことが「運転士になれば阪急の社員に」、そして「職種に関係なく社員登用試験に合格した者は、子会社の社員」と、非正規労働者を取り巻く環境も変化を生みだし、そして今回の直接雇用になりました。私は『職場新聞の威力』を改めて痛感しています。 余談ですが、労働運動の経験のない若い非正規労働者は、私達の職場新聞を施設内の組合掲示板に貼り付けて、担当の職制を悩ませるという一幕もありました。 電鉄の直接雇用に切り替わり、契約社員の方を含めてこれまで子会社X阪急レールウェイサービスに雇用された方が、阪急健康保険組合の組合員になりました。 私達は、健康保険の恩恵をそれほど痛感していませんでしたが、非正規の方たちにとって阪急健保に入れるということは、家計に、家族の健康に大きく影響するようです。「これでインフルエンザなどで医者にかかりやすくなる」「人間ドックに行ける」など、予想以上の喜びが聞かれました。 また、これまで非正規の方たちは国民の休日も労働日数としてカウントされていましたが、今月からは19日の国民の休日を私達と同じように『清算して賃金にはねかえらせる』ことが可能になりました。 低賃金で私達と同じ仕事をさせられている以前の非正規おある意味”で賃金の上乗せになりますから、この部分だけでも労働組合の頑張りは評価できます。 これらの成果は、全国的な偽装請負”や期間工切り”という資本の無法とたたかう中で勝ち取られてきたものですが、この運動も緒に就いたばかりです。 これまで正社員との賃金格差や手当の格差は、大きな壁”として以前として横たわっています。『同一労働・同一賃金』の立場で、新たな阪急労組の仲間になった多くの方の『これまでの組合員との賃金格差の是正』が必要になってきています。 ものすごく、いい話ばかりしてきましたが、私たちを取り巻く労働環境はどうなるのか?新駅開設や新型ATS設置に伴うダイヤ改正など、「乗務系統の軽減」が乗務職場の最大の要求になっています。 また駅職場では2011年スタートの「合理化」提案の労使交渉も始まっています。技術職場では効率化を求めるあまり、ベテラン技師の技術伝承がなされず『安全の危機』がささやかれるなど、みなさんの職場と変わりありません。 また、運輸現業の契約社員などはサービス残業の覚悟の”イベント参加や旧来の小集団管理に苦しめられています。 このように、職場には様々な労働者の不満の声”があります。そんな職場で、私たちが私鉄「連帯する会」の運動方針を大きな指針として、『労働組合いとともに』活動してきたことが非正規問題でも大きく影響してきましたし、これからも『労働組合いとともに』職場活動をすすめることが、職場労働者の不満解消などの『最大の近道』と考えています。 阪急「連帯を考える会」からも、オバマ大統領のプラハ発言で世界的に注目された今年の原水爆広島大会に五名が参加しました。参加したメンバーからは「核兵器の廃絶は可能だし、またそれに全力を尽くすことが日本人の責務」という感想も聞きました。 私鉄「連帯する会」は、核兵器廃絶の署名を全国で取り組んでいます。私たち阪急も、「これまでにない数を」という意気込みで、現在600筆を結集し、平和問題でも職場での対話活動を進めています。 広島県の大学で学んだ新入社員が、「それは、やらせてください」と自ら署名を申し出るなど、広島県全体の平和運動のレベルの高さも痛感しています。 今回の全国交流集会に参加している私たちの「会」の数は、実行委員会の方たちがいちばん判っておられると思いますが、なかなか増えていません。いまこそ『モノを言う労働者』『新しい仲間』を増やさなければなりません。 今日まで対話した以前の非正規労働者からは「みなさんの活動のバトンを受ける『新しい世代』は必要だと思う」という元気の出る”返答もあります。職場は宝の山”です。その宝の原石を、ひとつでも多く研き獲得できるように、この一年間『仲間づくり』を活動の中心に据え、職場活動に全力を挙げる決意を述べて、阪急「連帯を考える会」からの発言を終わります。
|