白峰白根三山登山紀行     2003年8月14日〜17日

             おこじょ山の会員有志5名

 

14日(雨)北岳・間ノ岳・農鳥岳三山踏破を目出して、大阪京橋を朝7時に車にて出発。

 お盆の帰省と雨による高速道の事故によって時間にあせりを感じながらも、北岳登山口である広河原はマイカー進入規制のため、バスを乗り継ぎ行く方法しかないが、長谷村営バス最終便にかろうじて間に合い、17時広河原小屋に到着。

 

15日(霧雨)雨具を身につけ6時20分小屋を出発、予定では八本歯コルコースを決めていたが、雨予報のため川の増水を考え、予定を変更して御池小屋へと向かう。

 急登の登山道は雨具のために全身が汗でずぶ濡れで登り辛いなか、8時20分御池小屋に到着。

 小休憩の後、肩の小太郎小屋へと歩を進めるが、今まで幾度となく登った山と違い、直登の急登が小屋まで続く、途中雨も上がり雨具を脱ぐも、視界は霧のためゼロだが、疲れた体を名も知らない高山植物が癒してくれる。

     

 10時35分、暖を入れた小太郎小屋で濡れた衣服を乾かしながら、温かいうどんで少し早い昼食を摂り、北岳山頂へ、直登一時間ついに北岳山頂(3192、2m)に立つ。

私たちを祝福するかのように青空が顔を覗かせ、甲斐駒岳、仙丈ケ岳、御岳など西北の山々の眺望に感激、南東はガスに覆われ富士山を望むことは出来なかったが、一度は登って見たかった北岳の山頂に立てたことは、私の一生の思い出になること間違いない。

           

山頂から北岳山荘まで濡れた登山道に注意しながら、15時30分山荘着。

 16日(霧雨)6時25分、次の目的地、間ノ岳、農鳥岳へ向けて霧雨のなか出発、途中で霧雨も上がり中央アルプスの全容が姿を見せ、8時20分間ノ岳(3189m)山頂に立つ。

 体調を崩した一人を残し(北岳山荘へ引き返す)4人で農鳥岳へ向かう、今夜は農鳥小屋泊りを予定していたが、引き返した不体調の方のことを考え、私たちも農鳥岳山頂を踏破した後、引き返すことで農鳥小屋まで一気に下る。

 11時10分小屋に到着、止んでいた雨が降り出し、リュックを小屋の中で保管を頼むが拒否され、仕方なく雨に濡れないよう小屋の外に置き、身軽で農鳥岳へ、12時05分農鳥岳(3026m)山頂を踏む。

 雨のなか小屋の外で遅い昼食を摂り、北岳山荘へと引き返す。間ノ岳まで戻ると西日が射し、汗と雨で濡れた衣服も完全に乾き、東の谷間には厚いガスが発生しており、谷間を覗くと見事なブロッケン現象が現れ、感激のなか17時00分北岳山荘に帰り着く。

体調を崩し、先に引き返していた仲間が、本日の予約を入れてくれていたおかげで、夕食の心配もなく、全員が揃い、明日の広河原への下りは農鳥小屋泊まりから見ると時間的にも、体力的にも楽になるはずだが・・・

 17日(雨)6時25分広河原へ、下りは登りの予定コース八本歯コルコースを採る。

 歩き始めて30分、急斜面一面にお花畑が広がる、花に気を取られて足を滑らせれば断崖絶壁の奈落の底まで・・・気の抜けないコースだ。

 幾段もの橋板と階段、雪渓に前日来の長雨で登山道は川と化し、いくつかの川渡りには全神経が足に集中するが、濡れた衣服のためままにならない、登りのコースより難儀だ。

 苦難の末、11時10分広河原山荘に到着、まずは全員の無事を記念して缶ビールで乾杯。

 戸台の長谷村営宿舎(仙柳荘)で4日ぶりの汗を流し、遅い昼食後、南アルプスを後に帰路に着く。

 厳しい道程であったが、全員が怪我も無く、白峰白根三山を踏むことが出来、私にとって忘れられない山行となりました。

                                      

                                 眞名井 一正