白峰三山縦走

御池小屋から北岳山荘まで

 御池小屋5:50−二俣分岐6:18−2600mピーク7:40−草スベリ分岐8:40−小太郎尾根分岐9:02−肩の小屋10:01−中白峰沢ノ頭分岐10:48−北岳山頂(白根山)11:25・12:20−八本歯ノ頭分岐12:45−山荘見下ろし小屋ピーク13:05−北岳山荘13:41 5時間30分

 今日のコースは登りに次ぐ登りで、一気に高度を稼ぎ北岳山頂に立つのと、午後からの夕立を警戒して早い出立となる。

 登りには二つのコースが有るが、私個人的には草スベリコースの最短距離を一気に直登したいが、行程表では右俣コースを登ることになっている、このコースでは距離は伸びるが二俣分岐まで昨日と同じコースで足慣らしになる。

        

             朝日が北岳に射し赤く色づく                       二俣分岐から御池小屋へ向かう

 二俣分岐から九十九折れの直登となり、ゆっくり休憩を取り入れながら登ると広い台地に出た、2万5千分の一の地図を見ると2600メートルの地点になっている、台地にはこれから登る人、下る人が休憩を採っており、台地の周りには高山植物が咲き乱れ私たちも休憩とする。

    

           雪渓を登る他のグループ                            草スベリ分岐

 これからが本格的な急登となるが、同じように九十九折れの急登を登っていると、昨夜肩の小屋か北岳山荘に宿泊した人なのか次から次へと下ってくる人がいるので遅々として前に進めない、下ってくる人を待つ間に後を振り返ると、富士山がポーコン沢ノ頭尾根から頭を覗かせている、「富士山が見えるよ」と言うと皆一斉に振り返り歓声を挙げる。

    

          尾根への最後の登り                            富士山が大きく顔を出す

 草スベリ分岐まで登ると富士山の雄姿が大きく見えるようになり、鳳凰三山(北から地蔵岳・観音岳・薬師岳)の荒々しい姿が私たちを圧倒するように全体像を見せている。

    

尾根から見るアルプスの山々

 小太郎尾根分岐まで登ると一気に展望が開け、北に甲斐駒ヶ岳、北西に仙丈ヶ岳、南に北岳の荒々しい山頂と、見てて飽きない眺望に時間が経過していく。

 あまりゆっくりも出来ないので出発すると、目の前に大きなピークが待っている、大きい岩、小さい岩を慎重に乗り越えてピークに立つと赤い屋根の肩の小屋が見える。

    

          北アルプスの山々に見とれる参加者                 肩の小屋から富士山を眺める

 目の前に見えていた肩の小屋は難所を行けども中々到着しない、「小屋は何処へ行った」と言う声があちらこちら聞こえてくる、やっとの思いで小屋に着くと大勢の方が休憩している。

 小屋を出発するといよいよ今日の目的地北岳山頂だ、が初日に心配していた高山病初期の症状(頭痛)を訴える人が現れたが、酸素吸入で症状も重くならずに全員が3192mの日本第2の最高峰に立つことができた。

    

北岳山頂の三等三角点と山頂を踏んでご満悦な真名井さん、右手には杖代わりの傘

 山頂からの展望は360度の眺望が開け、今まで見えなかった明日のコース上にある間ノ岳・農鳥岳が優しく見え、その西の尾根筋には荒川三山の峰々が南に延びている、北に眼を移すと穂高・槍ヶ岳の北アルプスの全景が広がり、南西には木曽駒ヶ岳を首領とする中央アルプスの峰々が真近に見え、南東には大きな富士山が私たちを見下ろすかのように大きな裾野を広げている。

       

山頂で360度の展望を楽しむ

 山頂には大勢の人が思い思いに展望を楽しんでおり、山頂での記念撮影もままにならないほどだ、私は北岳山頂を示す三角点を探し、三角点を見ると三等三角点(点名白根山)と記された標石が大小の石に支えられるように埋め込まれていた。

                

山頂を示す標識

 山頂で他の登山者の邪魔にならないところで早めの昼食休憩を摂り、山頂から見える今日の宿泊所である北岳山荘へと下る。

 山頂から見た山荘は何の遮りも無く見えたが、下り始めて判ったが一歩下ると山荘は見えなくなり、山荘までの尾根筋を見ると幾重にもピークがある、下りは大石や小石のガレバとなっており、一歩一歩転倒しないように神経を要しながら慎重に下る。

    

北岳山荘へガレバの登山道を下る 山荘までの高低差 約300m

    

200m程下った分岐から山荘を見る 山荘の向こうには美しい稜線が続いている

    

北岳山荘

 山荘が見える最後のピークまで下ると登山道はやや緩やかになり、足運びも軽やかになるが油断は出来ない、山荘に着くと宿泊の手続きをしたあと、リュックを置いて北岳のお花畑と言われる北岳バットレス方面へとカメラを持って出かけた。

    

        山荘から北岳を見る                     ガスが上がってきたのでお花畑から山荘に戻る途中のテント村

 お花畑には名も判らない高山植物の花々が咲き乱れ、今まで歩いてきた荒々しい登山道と違って別世界のような緑りょくしい草原が広がっている、八本歯ノコル分岐まで行けばもっと違った花も見られたかと思うが、谷からガスが湧き上がって来たので、木道橋まで行って引き返した。

 今回の縦走で写した高山植物の花々は、縦走記録とは別の欄に記載しますのでご覧いただければと思います。(高山植物