白峰三山縦走

北岳山荘から大門沢小屋まで

 北岳山荘5:50−第一ピーク6:10−中白峰(中白根岳)6:34−第四ピーク7:11−第五ピーク7:51−間ノ岳8:05−農鳥小屋9:43−第一ピーク11:00−西農鳥岳11:13−農鳥岳12:12・12:42−大門沢分岐13:22−谷川出合14:43−大門小屋15:14 約7時間30分

 今回の白峰三山縦走路で一番長い行程とアップダウンの激しい荒れた登山道が続く行程だ、二日間で疲れた足が持つかどうか心配だ。

    

北岳山荘から見る夜明け

 長い行程を考慮して今日も早朝の出発となる、間ノ岳までの高低差約200m、以前訪れた記憶からは緩やかな登りが続き、難なく間ノ岳に立てたと思っていたが、歩き始めるとこんなガレバがあったかなと思えるような緩急のガレバが続いている。

    

優しくみえる登山道は次第に険しくなる

 二日間の登りで疲れているのか、それともガレバに弱いのか昨日以上にゆっくりとした歩きとなり、最後を歩く私にとっては常に休憩状態になりラッキーなめん、本来の歩きが出来ない分若干苦痛になるが、団体行動をとっている限り致し方ない。

 中白根岳(3055m)まで登ると少し広々とした台地になっていたが、山頂を示す標識はない、改めて地図を見ると間ノ岳までの尾根筋は両側が崖続きとなっており、その崖続きの尾根を約140m登るようになっている。

 狭い尾根筋を後から私たちを追い越していく人や、山荘から間ノ岳を往復するために早く登った人が引き返してくる登山者のために退避を繰り返すため遅々として進むことが出来ない。

    

         ガレバを慎重に越えていく                           新しくなった間ノ岳の三角点

 間ノ岳は円い山の記憶として残っていたが、今回改めて訪れてみると円さはあるがやはり荒々しい、山頂を示す三角点は最近標石を取り替えたのか新しい標石に置き換えられ、その横には銅版が埋め込まれ(点名相ノ岳)と記されている。

    

間ノ岳山頂と三等三角点

    

              間ノ岳山頂にて                          斜度35度の斜面を下る

 以前訪れた記憶によれば間ノ岳から農鳥小屋までは高低差約300mの急降下で下った記憶があり、さらに農鳥岳まで下った分登り返した記憶が甦ってくる、このときは同行者が軽い高山病に罹り、間ノ岳で北岳山荘に引き返したので、私たちも農鳥岳から北岳山荘まで引き返したため、このときの印象が深く残っている、それも雨の日。

 間ノ岳を出発して間もなく魔の急斜面が待ち受け、その急斜面を見た皆が「エッ、ここを下るの」の声、短い九十九折れになったザレバの急斜面を下り始めると小石が転がり始め、その都度ラクラクの声、斜面を下り終え振り替えると岩壁のようにそそりたっている。

 斜面を下り終えて緩やかに下っていくが、目の前に見える農鳥小屋に中々辿り着かない、小屋裏で休憩を採り、これから目の前に聳える西農鳥岳まで登りなおすのでと指差すと皆ガックリ、しかし登らなければ今日の宿泊場所大門沢小屋には着けない。

    

            西農鳥岳山頂                                稜線越に富士山眺める

 気を取り直して登りはじめるが、ここまでの疲れが出たのか、少しのガレバに差し掛かると中々足が前に出ない、ただ良かったのは農鳥岳まで往復する人はいないらしく、たまに大門沢から登ってくる人に会うだけで、退避する回数が減ったことだ。

 やっと西農鳥岳まで登ったが、農鳥岳(3025m)より高いのに西農鳥岳(3050m)を示す標識は無く、ただ指標があるだけ、ここから農鳥岳までは緩急のピークを幾つか越えるほぼ平坦な道程だが、相変わらずガレバの道が続く。

    

優しく見えた稜線は荒々しい稜線

 農鳥岳山頂は間ノ岳と同じような山頂で、山頂を示す三角点は二等三角点で、山頂からの展望は北岳・間ノ岳と同じようだが、若干南に下ったためか荒川三山の一つ塩見岳・悪沢岳が目の前に迫り、その向こうに赤石岳が雄姿を見せている。

    

農鳥岳の二等三角点

    

農鳥岳山頂で記念撮影

 農鳥岳から大門沢小屋(1800m)まで標高差1225m下らなければならないが、大門沢分岐にある鐘の丘まで下ると、リーダーがここまでコースタイム的に約2時間遅れ、これからの下りは厳しいのでもっと遅れる可能性があり、小屋への携帯電話が通じないので私の組(5人で組を作り団体行動をしている、その中で私の組が足が強いと思われている)に先に下りて小屋に少し遅れるむね伝えてほしいとの要請を受け、5人で先に下り始めるが、私とMさんが前を歩いたためか、普通に下っているつもりだが残り三人が着いてこれず、途中から三人が後から自分の足に合った下り方で下りるので先に下りて要請のあった言葉を伝えてほしいと言うので、三人と別れ何時もの下り体制で下り始める。

鐘のあるピーク

 三人と別れたあと下りも段々難を極め、針葉樹林帯に入ると急な下りに変化し、足元への注意が必要となるが歩行は緩まず、今まで登りで先を越された登山者のほとんどを追い抜き、谷川に出たところで小休憩。

 地図を見るとここから小屋までは幾つかの谷川を右へ左へ横切るが等高線は緩やかだ、小屋について事情を話して判ったことだが、小屋へ宿泊の予約を入れた時に夕食は16時半で予約してあったことが判り、先に下りての要請の内容が改めて判った。

手振れの大門沢小屋

 小屋の人には最後に降りてくる人たちは多分、私たちより2時間遅れになることを伝え、小屋の周りを見ると、小屋の前にコインシャワーがあるので、小屋の人に与えられる部屋を聞き、リュックを置いて三日ぶりのシャワーを浴びる。

 シャワーを浴びて缶ビールを飲んでいる時に遅れた三人が下って来た、私とMさんより40分遅れだ、その三人がコインシャワーを浴びて寛いでいる時五人一組が降りてきたが残り五人はまだ先のようだ。

 全員揃ったところで夕食となり、山頂小屋より狭い部屋の中では何もすることが出来ないので18時半ごろには就眠となった。