雷鳥が迎えてくれた笠ヶ岳


     笠ヶ岳一日目

 新穂高登山口14:40−休憩15:22−わさび小屋16:00

 7月に転居する前、関西「おこじょ山の会」会員仲間と笠ヶ岳に登ることを約束し、笠ヶ岳には2日早朝大阪発のため前日梅田駅前のホテルで仮泊のため8月1日別府から上阪。
 2日、8時前大阪駅前ビル近鉄バス乗り場から飛騨高山駅行きのバスに乗り込む、高速を経由して高山駅に着くと新穂高登山口までバスの予定を世話役が手際よく大型タクシーと交渉して新穂高登山口へ、登山口に着くと下山後の迎をタクシー会社に予約して登山開始となる。
 


    
         大阪出発 荷物をバスに積み込む                       JR高山駅

 登山開始と言っても今日の行程は林道沿いにある「わさび小屋」まで約1時間半の行程のため急ぐことはない、アスファルトや地道の入り混じった登山道をゆっくり道幅一杯に並び雑談を交えながら「わさび小屋に」着く。
 世話役が宿泊手続きと割り当てられた部屋に入ると、山小屋では珍しい入浴が出来るとのことで風呂場に行って見ると、過去入浴が出来た山小屋では浸かるだけだったのが、ここでは石鹸が設置されているのと早目の到着だったのと明日からの山小屋では入浴設備さえない山小屋のため、ゆったりと入浴することが出来た。 

 

    
        笠ヶ岳・双六岳等登山口                             登山口での案内図


     
        下山口となる笠新道登山口                              わさび小屋


    笠ヶ岳二日目
 
 わさび小屋6:12−渡渉7:10−鏡平小屋10:10

 今日の行程は昨日に続いて約三時間半の行程だ、私が以前訪れた時はこれから先河原の石を縫って登って行ったような記憶があるが随分昔のことでハッキリしない。
 わさび平小屋から林道を緩やかに登って行くと車の行き止りが現れ、ここから本格的な登山道が始まったが記憶の曖昧さが良くわかるように川原の石はそんなに多く無く綺麗に道は整備されているが、場所によっては両手を駆使して登る箇所がある、急ぐことはないので30分ぐらい歩いた所で、またそんな箇所を過ぎたところで休憩を採りながらゆっくり登っていく。


     
           林道から登山道に入る                           ガレ石を慎重に登る

   二箇所ほど川を横切った所で登山道は右へと迂回するなか地図を広げ位置を確認すると鏡平小屋まで等高線の詰まった最後の急な登りに取り掛かっていることが窺える。
 


    
     槍ヶ岳が見えたのはこの時だけ                          右岸から左岸に渡渉

 登山道に入ってから槍ヶ岳が時折ガスの合間から見え隠れしていたが、右斜面に変わってから槍ヶ岳や穂高連峰も望むことが出来なくなった、登山道がやや平坦になったと思ったら池が現れ多くの方が休息し、また槍ヶ岳が綺麗に顔を出すのを今かとカメラを設置して待ち構えている。
 この池には後で来るとしてまず小屋に行って本日宿泊の手続きを、手続きが終わったあと時間も早いので小屋周辺の散策として散策路を探すが見当たらない、以前訪れた時は二つの池と湿原地を散策できる散策路があったと思ったがここでも記憶の曖昧さがうかがえる。
 


     
       ゆっくりと休憩を採用                         風景を楽しみながら登る  小屋は正面の右手



     
         ここを越えると鏡平池                            鏡平小屋に到着                         


  昼食時間には早すぎるので少し明日の登る道を散策して早い昼食とするが、これから夕食までの時間をどうするか思案するが良い案は思い浮かばない、皆な思い思いに小屋の中や池の休憩所、小屋の前の休憩所などで時間をつぶし夕餉となる。
 休憩している間に宿泊者が増えたのか私達に割り当てられた部屋は狭く、それでなくても狭い敷布団二枚に三人が寝ることに、北アルプス・南アルプスの登山シーズンはこんなものと思っているがやはり明日の行動を考えるとゆっくり寝たいと思うが・・・夕食を終えると山小屋では何もすることがないのと明日は早朝出発のため19時過ぎには全員が床に付く。  


     
          散策から小屋に帰る                               散策を終え夕食までのひと時



 

 鏡平小屋も夕食


     笠ヶ岳三日目


  鏡平小屋5:27−弓折乗越(2580m)6:28−大ノマ乗越7:10−大ノマ岳(2662m)8:00−秩父平9:13−抜戸岳(2813m)10:45−笠新道分岐10:53−笠ヶ岳山荘12:45・・・天気を見ながら山頂に14:20分着

 昨夜の天気予報では午後天気が崩れるかもと報じていたが早朝槍ヶ岳方面を見るとガスがかかり槍ヶ岳を望むことは出来ない、山の天気とはこんなものだと諦めて弓折乗越に向け出発。
 


     
       あすこまで登ると弓折乗越を指さす                      巡視に飛んでいる県警のヘリ

 小屋から急な登りを休憩を採りながら登って行くと、朝早く双六小屋を出発した下山者が熊に襲われた登山者が居るので注意をして登って下さいとアドバイスを戴いたのでその旨全員に伝え、クマに遭遇した人はどうなったのだろうかと話し合いながら登っていると谷間の下からヘリの音が聞こえ出したので救急ヘリかとヘリを見ると救急ヘリではなく県警のヘリが登山道に沿って飛んでいる。
 クマに遭遇した人は襲われたのではなくクマを目撃したのを山小屋の人に伝えたため県警のヘリが登山道の様子を見に来たのと爆音にてクマを追い払うために来たのだなと勝手に決め込んで、下山する人あとから追い抜いていく人と挨拶を交わしながら弓折乗越に到着。


     
弓折乗越での休憩と鏡平小屋を見る

   上空に寒気が来ているのか槍ヶ岳から穂高連峰は相も変わらずガスが立ちこめ雄姿を見せることは無いがシナノキンバイやハクサンフウロ等の高山植物が咲き乱れ、中でもコバイケソウの群落には驚かせれる、弓折岳から大きく下り大ノマ岳へ下った以上に登りきり、秩父平への下りに差し掛かると東側、秩父沢への急峻な崖には多くの雪渓が残り私達の目を楽しませてくれる。
 


     
              抜戸岳                                雷鳥の子供  三羽居たよ



     
         ポーズをとる雷鳥の母親                          雪渓の残る稜線を行く


  秩父平に差し掛かるころから雲行が怪しくなり冷たい霧雨が降り始める、傘を出しそれなりに雨避けを行うが稜線歩きと在って、稜線を吹き抜ける風のため余り傘も役に立たず、風除けの大岩の陰で雨合羽に切り替える。
 秩父平から秩父岩への急な登りに差し掛かると雷鳥親子が私達を迎えてくれる、雷鳥の親は子供を連れているためか私達がカメラを向けるとポーズを取るような仕草を示し、写真を撮り終えたら早く立ち去るような仕草を見せる。
 雷鳥親子にお礼を述べ、両側が切り立ったガレバの稜線を雨具を着けたまま抜戸岳へとゆっくり登るが、何時もなら雨具を着けた登りなら汗びっしょりになるが寒気のためかさほど暑いとは思えなく2813mの抜戸岳に立つ。
 


     
           霧雨が降り出した稜線尾根                       明日ここまで戻る笠新道分岐



     
           笠新道分岐の到着時間を確認                     衝立岩の岩間を行

  抜戸岳からまたも下りに、苦労してやっと登ったのにまた下るのかの声が出るなか、足元の悪い稜線をアップダウンを繰り返しながらゆっくりと歩を進め、ガスの立ち込めた雪渓を渡り大きな石を敷き詰めたような箇所に出るとガスの合間から山小屋が見える。
 山小屋に着くと霧雨も上がり、もう少し待てば日の射す天気になるのではないかと考え、山頂を目指すのは後にして世話役が宿泊の手続きと軽い昼食を取っている間に日も射し始めたので、私達に割り当てられた部屋に荷物を置き笠ヶ岳の山頂を目指す。
 


     
 山荘到着と記念撮影

  笠ヶ岳の山頂は双耳峰になっており北峰に祠があり、南峰に三等三角点の標石が埋め込まれている、私達が登頂記念写真を撮り始めると一団体登ってきたので場所を譲り北峰でガスに覆われた槍ヶ岳にガスの晴れるのを望みながら槍ヶ岳を眺めるが、ガスの切れ目から顔を出すのは穂高連峰のみ。
 陽射しを浴びながら槍ヶ岳のガスが晴れるのを待っていたが、次から次へとガスの湧き出すのを見て諦め、山小屋へと下り始めると谷間からヘリが山小屋へ食料を引き上げるのに出会い、私は過去何度か出会っているので感動こそ無かったが、始めて出会った仲間は大きな感動を示していた。
 
     
 南北の山頂を示す



     
             南峰の山頂                                北峰の山頂



     
    山頂から山小屋まで歩いてきた稜線を見る                    穂高連峰がガスの合間から顔を出す



     
        笠ヶ岳山頂から山荘を見る                          食料品を運ぶヘリ

 夕食が終わるころにまたも雨が降り出し、割り当てられた部屋は昨夜の小屋より狭く、窮屈なまま布団に入るとアップダウンを繰り返したが登り一辺倒だった疲れか直ぐに寝入ってしまったが、夜中の強い雨音に起こされる。  

 
     笠ヶ岳四日目
 


    笠ヶ岳山荘4:35−衝立岩5:15−笠新道分岐6:05−杓子平7:36−佐保林道笠新道登山口11:35 約7時間

 夜中の雨が今日も続くのか、雨が続けば笠新道の下りは手強いと思いながら半眠りのなか4時に目を覚まし出発の準備をしていると雨は止んでいたがガスが立ちこめ、何時もなら明るい夜明けが薄暗く笠新道まで戻るのは危険と判断して薄明るくなるまで小屋前で待機。
 足元も確認できる明るさになったため笠新道への下りに向け山小屋を出発、笠新道への分岐まで昨日登って来た道をゆっくり引き返し、笠新道の下りに差し掛かると、昨日それなりの下り斜面を確認していたが思っていた以上に急な下りが待ち受けていた。
 夜中の雨で登山道は滑りやすくなっており慎重に下りながら少し平になったところに着いたので早く杓子平に着いたなと地図を確認すると、杓子平はまだ二つの平坦地を過ぎたところになっている、二つ目の平坦地に差し掛かるとまたも雨が降り出した。
 雨具を着けてない方は雨具を着て傘を差して下っていると、杓子平からの下りは森林帯に入り傘が木々の枝に引っかかり傘が役に立たなくなってくる、足元も杓子平までの下りと違って悪路となり特にステッキを使って下る方は傘が邪魔になる。
 雨脚が強くなったりする時は登山道が川化して悪路の道は益々悪路となり、足運びもゆっくりとなるなか帰阪の時間が気になるが、急ぎの声をかけて転倒や怪我を引き起こすことだけは避けなければならない、時間は気になっても足の弱い人に合わせた歩きでゆっくりゆっくりと下る。
 足もがくがくしはじめ、もう下りたくないと思い始めた辺りから左俣谷川が見え始めたが、川が見え始めてからが長い、登山道からカーブミラーが見えたときやった〜、登山口に着いたど〜の声が口から出る。
 林道に出た所で小休憩のあと林道登山口へ、登山口のホテルで入浴をお願いすると人数から言ってロープ乗り場のスーパー温泉の方が良いのではと案内され、スーパー温泉に着いて見ると他の団体が入り口に溢れていたので、隣のホテルに交渉すると快く了解を戴き三日間の汗を流すことが出来た。
 温泉から出ると登山日に予約していたタクシーが迎えに来ていたのでタクシーに乗り込み高山駅へ、高山駅から大阪直通の列車に乗り込み大阪へ、私は直接別府まで帰れる時間帯であったが、明日孫を連れて別府に帰るのと銀行に用事があったのでホテルに一夜をお願いして、翌日宇佐に居る姉さん所に立ち寄り夕方別府に帰りつく。
 今回の笠ヶ岳登山の準備をして頂いた世話役の皆さんお疲れとありがとうございました。今後も良い山行きを企画された時は声をかけて下さい。



 
笠新道分岐まで戻る 

 
 下りの写真は草花を専門に撮影したのと雨で上の一つだけ


笠ヶ岳で出会った草花)はここをクリックして下さい


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