常念岳から蝶ヶ岳へ縦走
                                                           2013年9月6日(金)一日目

 一の沢登山口8:40−山の神8:55−古池9:07(休)−11:42(休)−エボシ沢10:25(休)−笠原沢11:08(休)−川原にて昼食休憩11:53・12:15−胸突八丁取り付き点12:20−水場終わり案内12:45−第一ベンチ13:00−第二ベンチ13:28−常念小屋14:00(泊)

 
 前日22:10分に大阪梅田を夜行バスで出発、早朝松本バスターミナルに到着後JR松本駅から豊科駅まで行き、豊科駅から予約しておいたタクシーにて一の沢登山口へ。
  

     
      登山口に向かうタクシーの車内                        一の沢登山口 登山相談所 

  登山口でSさん指導による準備体操のあと4人から5人の班を組み、各班の力量に合わせた登山開始、前日の雨によって湿った針葉樹林の生い茂る足場の悪い登山道を少し上ると山の神と記された鳥居のある祠が現れた。

    
 
           登山道の指標                            登山口からすぐの登山道

 
    
            山の神                                    古池  標識の右が池
 
  山の神を通り過ぎ、なお少し上ると古池と記された木札が木の枝に吊るされ、その横に小さな池が満面に水を溜めている傍で小休憩、登山道は一の沢の左岸を緩やかに登って行くが至る所に河原特有の大石が登山道に転がり、足元に注意しながら登って行くと右手から下りてくる谷筋との合流点で小休憩。

    
 
             悪路の登山道                               笠原沢に設置された丸木階段

   谷筋を横切り一の沢本流から外れないよう少し急になってきた沢とも登山道とも言えない登山道を足元に気を付けながら登って行くと、花の最盛期を終えた残り花が疲れる身体を癒してくれるかのように出迎えてくれる。
 笠原沢と記された右から落ちてくる谷沢との出会いで小休憩を採り、沢に架かる丸木橋を渡り階段を登りきると登山道は沢登りの登山道へと変わり、沢を右へ左へと渡渉を繰り返すなか、やや広い他の登山客の通行に邪魔にならない河原で早めの昼食休憩とする。
 

     
        水場終わりと記されたところへの沢を渡る                  危険個所を慎重に登る

  昼食休憩を終えて少し登ると胸突八丁の立て札が、地図を取り出してみると等高線が詰まり常念乗越(2466m)まで約450mの高低差に九十九折れの道が直登に伸びている、この辺りはお花畑なのかその名残を示すよう可憐な花が至る所で見られる。
 沢を左に渡渉すると水場終わりと記された札が設置され、谷筋からはなれ本格的な登りが始まる前兆を見せている、九十九折れに登って行くと第一ベンチと記された丸木のベンチが現れ、あと800と記されている、小休憩のあと登り始めると大小の丸木階段が現れやっと第二ベンチに、あと500の文字に「えっ!たった300しか歩いてないの?しっかり歩いたように思うのに!」の声が飛び交う。
 

     
       胸突八丁 に設置されている丸木階段を登る                      常念乗越に到着

  ゆっくり登って来ている後ろを振り返りながら歩を進めていると前方が大きく開け、草木の無い尾根筋に常念乗越(2466m)の標柱が設置されている「着いたー」との声が飛んでくる、下には常念小屋の屋根も見える、まずは小屋に行って宿泊の手続きを、割り当てられた部屋にリュックを置き、外のテーブルで夕食の時間が近づくまで疲れた身体を癒しながら冷たいビールを戴く。  

     
               常念小屋前にて                  ガスの切れ間から北穂高が顔を出す 左は常念岳の稜線横

     
      小屋前のテラスでのひと時                                   小屋から見る 横通岳 




常念岳から蝶ヶ岳へ縦走 
                                                        2013年9月7日(土)二日目

 常念小屋6:30−三股分岐7:40(休)−常念岳山頂8:05・8:20−最下位鞍部10:25−ピーク11:45−鞍部で昼食休憩12:30・12:50−蝶槍13:10−横尾分岐13:20−蝶ヶ岳ヒュッテ14:00

 
  今日は蝶ヶ岳ヒュッテまで尾根歩きの行程だがその前に常念岳山頂(2857m)まで約400mの高低差を登らなければならない、常念岳山頂に延びる登山道を見ると色とりどりの登山者がすでに上り下りをしている、それにしても雄大で大きな常念岳に圧巻される。
 一歩一歩九十九折れに続く登山道を噛みしめるように登りながら山小屋を振り返ると、登山者の横を何か小さいものが登山道を横切っている、何だろうと目を凝らして見ると猿の群れが小屋横を谷へと移動している、食物の無いこんな所まで何で登ってくるのかと考えていると、猿にとって好物なのか高山植物の果実があることに気づく、それにしてもきつい登りだ。
 

    
 
         常念岳山頂へ                                 山頂への途中から見る常念小屋全景

  下ってくる人に道を譲り、あとから登ってくる人に道を譲り、ゆっくりとした足取りで山頂に立つ、山頂は大石が重なり合った小さな頂上で祠が祭られている、天気なら山頂から槍ヶ岳や穂高連峰が一望に見えるのだが天気の下り前兆なのか周囲の山々はガスに覆われ何も見えない。
 お互いに譲り合いながら記念写真を撮り、私は地図に記載されている山頂三角点を探したが見つけることが出来ず、名残惜しむように蝶ヶ岳への尾根に取り掛かる。(前常念岳には一等三角点の標柱が埋め込まれているが、今回私達の行程には前常念岳通過は含まれて居ない)
 
    
       切り立った大岩を横切る                           常念岳山頂の祠


     
         常念岳山頂にて                             山頂から切り立った稜線を下る

    山頂から蝶ヶ岳の方角を見るが一面ガスに覆われて、時折ガスが切れたときに稜線が見え、すごい下りが続き、その先は下りと同じぐらいの登りが続いている、ザレバの下りは小石が滑りやすく転倒しないよう足元から目が離せなく慎重に下る。
 稜線は細く左側は絶壁の谷で、右側は滑れば何処まで滑り落ちるのかと言う斜面が続いているが、時折晴れるガスが気になり足元ばかり見て歩けない、他の登り下りする登山者に道を譲り約350m下った最鞍部で小休憩を採っていると段々雲行が怪しくなってくる。
 何とか雨になる前にヒュッテに着きたいものだと下った分だけ登りに取り掛かるがなかなか・・・一つのピークに出るとその前に一段と高いピークが見える、何度かアップダウンを繰り返し、広い一つの鞍部で昼食休憩を摂ったあと針葉樹林帯を登り始めると雨がぱらついてきた。

     
 奇岩が続く蝶ヶ岳への稜線

   足場の悪い樹林帯の登り坂で雨具を装着すると同時に大粒の雨となる、登山道は見る見る間に川化してくる、登山道は低木の樹林帯と風通しの良い笹原の繰り返しが続き、低木のない箇所では強風が吹きつけてくる。
 
 
    
       今回一番危険な箇所の下り                              雨の低木林へ侵入 

 私はズボンの雨具を装着し上半身は傘のみのため低木の樹林帯を抜け尾根筋や蝶槍と言われるピークに出ると強い風で傘が煽られるが、写真を撮るには傘がなければ写真は撮れないと我慢して蝶槍の山頂に立つが、周りはガスが立ちこめ何も見えないためか他の人は立ち寄ることなく先を急ぐ、山頂には三等三角点が埋め込まれているが山の名前は記されてなく、ただ山頂と岩にスプレーで記されているのみで三角点があるから蝶槍なのかと思うだけ・・・
 

    
 
        蝶ヶ岳への2500m地点を行く                          蝶槍の三等三角点

 
 蝶槍から少し下ると「横尾へ」と記された標柱があったので地図を取り出してみるとヒュッテまではあと少しの距離だ、しかし10m前後のアップダウンがいくつかある、ヒュッテの屋根が見えたときはほっとする、小屋に着くと皆の一声が早く雨具を脱ぎ着替えたいとの声、それもそのはず雨具の下は自分の汗で衣服は濡れ鼠化している。
 衣服を着替え濡れた衣服は乾燥室に干して一息つきながら疲れた身体を冷たいビールで身体を癒しているといつの間にか全員が集まり、小屋の許可を得て談話室で夕食まで全員の持ち寄ったもので宴会が始まる。  

    
 
       蝶槍の三角点                                      蝶ヶ岳ヒュッテ




 常念岳から蝶ヶ岳へ縦走
                                                         2013年9月8日(日)三日目
 
 ヒュッテ6:20−休憩7:05−長塀山(2582m)7:25−休憩7:53−休憩8:43−徳沢園10:15−アルペンホテル11:50

 
 今日は徳沢園まで下るが、昨日降り出した雨は一向に止む気配は無く、夜半には強風と雨音で何度も起されたが、それよりも気になったのは登山道のことだ、気になっても今日14時の予約しているバスまでには下らなければという思い・・・
 5時半に朝食を終え、今日は上下の雨具を見に着け小屋の外に出ると雨脚は少ないが強風が吹きつけてくる、油断していると強風によって吹き飛ばれそうになる。
 蝶ヶ岳の山頂は広いがガスがかかって何も見えない、真新しい蝶ヶ岳山頂と記された標柱があるのみ、レンズが雨に濡れないように早々と記念撮影を終え徳沢へとの案内標識を探すが無く、道を探すが昨日からの雨で踏みあとが綺麗に流されかすかに残る踏みあとを草木の中に踏み入れると綺麗な道が下っている。
 この草木辺りはお花畑なのか花の名残や湿現地もあるが雨のためカメラを取り出すことも出来ない、お花畑から低木の樹林帯に入り緩やかなアップダウンを繰り返していると妖精ノ池が左手に現れ、少し進むと今度は右手に妖精ノ池の半分ぐらいの池が現れたが雨が降っているためのんびり観賞するまもなく通り過ぎる。
 二つの池を通り過ぎ少し登ると何も記されていない山のピークに出た、地図を見ると長塀山と記され、その隣の山には三角点のマークが付いているがいつの間にか通り過ぎ写真に納めることができなかった。
  

    
 
            蝶ヶ岳山頂にて                            登山道が川化された所を下る

 長塀山を過ぎた辺りから雨脚が強くなり登山道は完全な川化して登山道を流れている、今まで登った数知れない山の登山道には必ずと言って水切りがほどかされていたが、何故かこの登山道には水切りは無く降り注ぐ雨水は全て登山道を流れている。
 長塀山を過ぎてからは登りも無くただひたすら下るのみだが、川化した登山道と幾つもの丸木階段があり遅々として先へ進まない、徳沢園への到着時間は予定では9時頃で上高地には11時の予定をしているがこのままでは10時を回るのではないかと皆気にもむがこの天気では仕方ないと・・・
 

    
 
               徳沢園                           梓川沿いで見かけたサルの群れ

  徳沢園に下りついて時計を見ると10時15分を指している、予定ではここでゆっくりして上高地へと下る予定だったが、上高地で入浴の時間を考えると立ち寄っている時間は無い、雨にもかかわらず登山者以外に多くの観光客が徳沢園まで訪れている。
 徳沢園で休憩する間もなく上高地へと急ぎ足で向かう、平地とは言え早足は蝶ヶ岳から下って来た足に堪える、明神小屋まで下ると観光客で一杯になり、吊橋で有名な河童橋まで下ると橋を渡るのに観光客を避けもって渡らなければならないほどの観光客で埋め尽くされている。(私が始めて上高地を訪れてのは43年前の夏)
 入浴と昼食を予約していたホテルに着いたのは正午前で、まずは三日間の汗を流すため浴槽へ直行、汗を流し終えさっぱりした心地良い身体で昼食に、雨に降られたが全員無事に下山出来たことを祝って乾杯、昼食を終えたあと14:10分発のバスにて大阪梅田へ。お疲れ様でした。 (下りは雨のため写真は無し)

    
 
      上高地アルペンホテル                              ホテルからバスターミナルへ


     
          上高地 河童橋                               上高地バスターミナル



 もう一つの雑草HPに収録できなかった
常念岳から蝶ヶ岳で出会った草花

 
        
 
        
 
        
 
        
 
        
 
        

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